播音王子

《播音王子》謝賢、陳齋頌、王偉、夏娃 
龍剛:監督 1966年 モノクロ


ラジオドラマで美声を聞かせる杜偉華(謝賢)は、女学生の憧れの的だか、私生活は乱れきっており、女性関係も派手。しかしあるパーティーで見かけた政治家の娘・唐美芬(陳齊頌)と付き合うようになってからは、愚行を改めていた。美芬の父は、選挙に出馬するため、評判のよくない偉華と娘の付き合いを禁止する。ひそかに偉華に思いを寄せている同僚の何子清(夏娃)が、失意の偉華を慰めようとする。父の監視の眼をかいくぐって偉華に会いに行った美芬は、偉華と子清の関係を誤解、偉華は美芬を追いかけている途中で車にはねられ、美芬は失望して海に飛び込むが、教師(王偉)に助けられる。美芬は妊娠していたが、偉華はこのときを境に消息不明になっていた・・・・。


タイトル《播音王子》(ラジオの王子さま)から、明るいコメディタッチの作品かと思いきや、そうは問屋が下ろさなかった。主人公の謝賢は生い立ちが不幸で、裕福な娘は、父親の名誉のため謝賢との交際を禁止され、家に軟禁、学校にも行かせてもらえない。さらに不幸が2人に襲い掛かる。
 だた、必ず理解者が登場して、何の見返りも求めず救いの手を差し伸べてくれる。この映画では、教師がそれにあたる。ちなみに《英雄本色》では更生協会の女性主任。そして最後には必ず何らかの犠牲があって初めて幸せが訪れる。
 謝賢が自分の生い立ちを語る場面、女性を騙すためかと思ってしまった私は心が汚れているかも(笑)。
2006.4.19@香港電影資料館「光藝的都市風華」
映画祭は終わりだが、「光藝」映画特集は、これから土日上映で6月まで続くので、なんとか時間を見付けて見よう。


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