地老天荒

《地老天荒》周俊偉(ローレンス・チョウ)、官恩娜(エラ・クン)、曾國祥(ディレク・ツァン)、鄧萃雯(ダン・ソイマン) 
麥啓光(アルバート・マック):監督 2006年 DVD


阿杰(周俊偉)の父は、音楽の仕事をしていたが、肝臓を悪くして亡くなった。父の葬儀で出会った阿杰と口の不自由な阿雪(官恩娜)は、しだいに仲良くなり結婚することになった。結婚式がせまったある日、阿雪は車にはねられる。天国への道で、見習い天使・マイケル(曾國祥)に出会った阿雪は、地上へ還してくれるように懇願する。マイケルがよくよく調べると、阿雪は予定より3日早く天に召されていたことが分かり、再び地上へ戻される。しかし彼女に残された日にちはたった3日間だけ。阿雪はこの3日間をどうやって過ごしていくのだろうか。


映画館で見ると、たぶん退屈すると思うのだが、DVDだと意外にするっと見てしまった。まあ周俊偉好きとしては、出ずっぱりなので、それだけでもすでに良しということもあり(むにゃむにゃ)、大画面で見るとたぶんやり過ぎのフィルターかけた海の風景も、DVDだと「あら綺麗」で許せてしまうということもあり、さらに周俊偉の役が駆け出しの作曲家という設定も許してしまうし(方さんが作曲家という設定のこまった映画に比べれば、遥かに現実味がある)。官恩娜は孤児という設定で、写真を撮るのは趣味なのか、果たして職業なのか分からず、いったいいままでどうやって育ってきたのか、どうやって食べてきたのかなどと考え出すと、すぐに物語りは破綻するのだが、その辺も無視してしまおう。官恩娜、《千杯不酔》でも《最愛女人購物狂》でもかなりうるさいキャラだが、この映画では口がきけない役が幸いしてか、さほど気にならない。曾國祥の見習い天使は、出てきたときには、どうなのかと思ったが、これも面白く作っている。《ベルリン天使の歌》のように恋はしないものの、見習いゆえ途中で悩んでみたり、たぶん彼自身のキャラクター(顔)のおかげもあってか、いい感じなのも、ちょといい点をあげてしまうところ。
韓国映画ほど号泣をさそうでもなし、死をどうやって受け入れて行くのかというようなことを、多少おとぎ話的に語っていく。ただ死を受け入れるはあくまでも死ぬ予定の阿雪であって、残される阿杰ではない。そこが《星願》や《我左眼見到鬼》などの"蘇りもの"とは違うところだ。出演人物が少なくキャストの誰もが特にスター然としているわけでもないけど、ほんと意外に面白く見てしまった。なんかかなり甘い点を付けてる気がするが、そういうこともたまにはあるということで。
監督の麥啓光、調べてみると、《流氓師表》《新流氓醫生》《玉女添丁》(←これは馬偉豪(ジョー・マー)と共同監督かな)を監督しているようだ。
この映画、少し前に公開しているが(たしか影藝でかかっていた)、時間がなくて見に行けなかった。


■□06年に見た映画一覧□■