死心不息

陳慧珊(フローラ・チャン)、連凱(アンドリュー・リン)、呉文忻(ナタリー・ン)、呉嘉龍(カール・ン)、林雪(ラム・シュ)、王喜合(ケン・ウォン)、羅蘭(ロー・ラン)、錢嘉樂(チン・カーロッ)、何華超(トニー・ホー)、劉綽琪(パトリシア・リウ)、
麥詠麟(ゲイリー・マック):監督


阿華(連凱)、阿文(王喜合)、愛倫(劉綽琪)は同級生。阿華は気の強い彼女(呉文忻)に何かと押さえ付けられているが、彼女は阿華と結婚したいと思っている。阿文はバーを開いており、妻の愛倫は妊娠中。阿文はバーの女の子をつまみ食い中。
ある日、突然みなの前から突然姿を消していた同級生の阿南(陳慧珊)がひよっこり戻ってくる。かつて阿華と阿南はお互い好意を寄せていたが、ある日を境に彼女の行くへは分らなくなっていた。阿南は口が不自由だったが、それも治っていた。阿華は彼女の目を逃れて、阿南と逢うようになるのだが・・・。


(ねたばれあり)スリラーなのかホラーなのか悲恋ものなのか、最後まで決めかねる映画だった。もっともっと脚本をつめれば、面白くなると思うのに、どっち付かずで山も盛り上がらないしオチも落ちない。主演の陳慧珊がいったいぜんたい何をしたいのかが伝わってこない。実は彼女、亡くなっていて、ある一定時間だけこの世にもどってきたという設定なのだが、復讐したいのかと思えばそうでもなく、心残りがあってそれをはたしたいのかと思えば(行動的には十分そう見えるのだが)、連凱に対しては、自分への思いを捨てて未来を見て欲しいなどと言うし、まったくもってよく分らない。さらにかつて彼女は阿文やその友人たちにレイプされた過去を持っているのため、彼女の出現が阿文らに恐怖を与える。それが原因で、阿文は他の友人たちに殴り殺されてしまうのだが、これが実は犬死。彼女は阿文らを許すつもりなのに、それが理解してもらえず、余計な混乱を彼らに与えてしまうというトンでもな状態。それを彼女は悔いるのだが、「自分の表現の仕方が悪かった」の一言でかたずけてしまう(それじゃすまないでしょう)。だったらいっそのこと復讐ものにしてくれれば分かりやすい。
蘇りもので韓国映画並の涙腺刺激映画にするか、ホラー仕立てで男たちに復讐していくか、とにかくはっきりしてくれ〜と叫びたくなる(笑)。
あと、色が美しくないのと、録音状態もよくなかった気がする。日曜日午後5時すぎの回、観客2人(トホ)。
2006.9.10@影藝戲院
調べてみると監督の麥詠麟は、副導演などを経験し、これは2作目の監督作品らしい。1作目はタイ資本で、曾志偉(エリック・ツァン)や林家棟(ラム・ガートン)が出演した《美麗酒吧》。2作目のこの映画もタイの資本で作られているそうだ。


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