傷城

《傷城》
梁朝偉トニー・レオン)、金城武舒淇(シュウ・ケイ/スー・チー)、徐静蕾(シュウ・ジンレイ)、杜汶澤(チャップマン・トー)、尹揚明(ヴィンセント・ワン)、岳華(ゴック・ワー)、黄伊汶(エマ・ウォン)、陳寶轅(リッキー・チャン)、譚俊彦(ショーン・タム)、梁靖琪(トビー・リョン) 
劉偉強(アンドリュー・ラウ)・麥兆輝(アラン・マック):監督


来年には日本でも公開になるらしいので、ストーリーは割愛。
プレミアでも見たのだが、途中席を立つことになったため、本日見直した。


梁朝偉は感情をあまり顔に表さない役、劇中、大きな感情の変化も、ほんの少しの表情で表現しなくてはならず、かなり難しい役だと思うが、さすがに上手いし、最初の方では、人相からして悪いやつに見える。その梁朝偉の上手さにくらべると、金城武は雰囲気はあるが、やはり未熟か。さらに広東語の台詞まわしが上手く無いのと発音がいまひとつ悪いのが気になる(台詞は同時録音ではなく、自分で吹き替えているのではないかと思う)。
映画全体としては、派手さはないが、ストーリーはよくできていると思う。
《無間道》と雰囲気は似ているが、《無間道》は初めて見た時の衝撃が大きく、2度目では最初の衝撃を味わえない。観客は最初から誰が臥底(アンダーカバー)で誰が内鬼(スパイ)なのか分かっており、いったいいつそれがばれるのかという緊張感を味わうことがこの映画の最も重要な部分だと言える。
《傷城》も、最初から犯人は分かっているが、映画の主眼は犯人がばれることでなく、金城武が調べていくことで、何故この犯人が残忍な犯罪を犯したかを観客が知って行くことに置かれている。従って緊張の度合いは少ないが、何度も見ることによって、犯人の悲しみをより深く味わうことになり、2度目の方がよりよく映画を味わえた。2006.12.21@総統戲院


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