十分愛

《十分愛》鄧麗欣(ステフィー・タン)、方力申(アレックス・フォン)、鍾嘉欣(リンダ・チョン)、森美(サミー)、楊愛瑾(ミキ・ヨン)、張敬軒(ヒンズ・チャン)、胡清藍(テリー・フー)、王楠、陳淑蘭(シーラ・チャン) 
葉念琛(パトリック・コン):監督


キャスト:阿寶(鄧麗欣)、ルームメイト阿蚊(楊愛瑾)、親友の晴晴(鍾嘉欣)、晴晴の夫・志榮(森美)、友人碧蓮(王楠)、阿寶の昔の彼・大力(方力申)。
阿寶(鄧麗欣)の友人の晴晴(鍾嘉欣)と志榮(森美)が結婚した。3か月ほど経ったある日、阿寶は志榮が碧蓮と親しげな姿を目撃し、阿寶はルームメイトの阿蚊に一部始終を話した。そんな時、阿寶はかつての彼氏・大力に再会した。晴晴と志榮の夫婦、阿寶と大力の恋の行くへ、阿寶と晴晴の友情は・・・・。


前作《獨家試愛》が、割とかわいくおとぎ話的だったのに比べ、今回はおとぎ話よりきつめで、またも最後に毒気あり、より中身が濃密で面白い。
ドラマ《随時候命》の鍾嘉欣は意外にドンくさそうに見えるので、一途で古風な新妻をあてて、楊愛瑾に性格悪そうな役を(周海媚っぽい)振ってぴったり。鄧麗欣におもいっきり衣装をいっぱい着替えさせている(ミニで足出した後姿は、監督の趣味だろか?)。ボーっとした方力申の顔は、前作では悩む若者を表現させ、今回は同じ無表情でも、少しばかりの腹黒さを色づけしている。張敬軒にはピアノを弾かせる。森美が、海産物問屋の息子なのは、日劇ならどこかの老舗の若旦那という設定の置き換えのようだ。ただし本当なら森美ではなく、だれか違う人でやって欲しいのだが。
最後、これまでずうっと勝気でかわいかった鄧麗欣をちっともかわいくない顔で泣かせて、アップで撮り続けるのは、監督のいじめ(笑)。
若者を扱ったこの手のラブストーリーで代表的なのは馬偉豪(ジョー・マー)監督の《百分百感覚》。その後もヒットしたラブストーリーはあるが、それらと明らかに違うのは、ターゲットがはっきり絞られていることだと思う。出演者も若いが観客も若い。会場に年配客はいない。それにこの監督、ただのハッピーエンドでは終わらせないところがいい。
ちょうど他に面白いのがないということもあるが、入りがよくて、旺角百老匯ではハウス4から1と2に格上げ、新寶では夜の回は2スクリーンを使って拡大上映中。
2007.4.21@新寶戯院


■□07年に見た映画一覧□■