甄子丹アクションは120%

甄子丹(ドニー・イェン)は、アクション映画を撮るさい、体を大事にしないことで知られているが、俳優たちにも同じように望んでいるとは思わなかった。映画《導火線》は、多くの場面で高度な技が設計されており、俳優たちへの負担も大きい。武師(アクション専門の俳優)が鼻骨を折ったのに続いて、武術に優れた釋行宇も甄子丹に鼓膜を破かれてしまい、入院治療をすることになった。
ことアクションに関しては要求度の高い甄子丹、アクション場面の撮影にはすべて自ら臨み、正統派の旗印の元、真の功夫をウリにしている。しかし《導火線》では、甄子丹が戦った古天樂(ルイス・クー)、釋行宇、呂良偉(レイ・ロイ)、鄒兆龍(コリン・チョウ)ともに怪我をしており、中でも少林寺の弟子・釋行宇の怪我は重傷だった。


甄子丹と戦う場面で、釋行宇は吊るされ後ろから甄子丹に襲撃され、彼は翻ってから地面に落ちるというシーンで、釋行宇は耳に異常を感じ、ざわざわとして音が聞こえなくなった。しかし撮影の進行を妨げてはいけないと、甄子丹らは撮影を続行。結果20回以上もNGを出し、釋行宇の鼓膜は大きな圧力に耐えきれず、穴が空いてしまった。


また別のシーンでは、釋行宇は甄子丹に足で払われ脱臼した。撮影の翌日病院へ行きレントゲンを撮ると、医者は釋行宇の傷はかなり重いと指摘し、鼓膜に穴が空いており、すぐに赤外線治療をすることになった。現在は大陸にいる釋行宇は、甄子丹の要求は高く、120%を望んでいるので、撮影時には絶えずNG。武術の心得のある者でさえ、かなりな努力が必要だと感じた。危険なアクションについては力の抑え方を知っていたから幸いだった。そうでなければ、どうなっていたか分からないと話した。by 2007.5.4「東方日報」