黄花閨女

《黄花閨女》林黛、趙雷、呉家驤、于素秋、楊志卿 李翰祥:監督 邵氏 1957年 モノクロ 


裕福な農家の娘・金蘭(林黛)と貧しい家の息子で祖母と2人ぐらしの庚虎(趙雷)は好き合っている。ある日金蘭が家をこっそり抜け出し庚虎と逢っていたのを他人に見つかってしまい、父親の耳に届いてしまう。ちょうど大学で勉強した従兄の趙三和(呉家驤)が家を訪ねてきたので、父は金蘭を三和に嫁がせようと考える。しかしそのとき、金蘭のお腹には庚虎の子が宿っていた。困り果てた金蘭は、かつて庚虎とねんごろになっていたが、いまでは庚虎が見向きもしなくなっている酒屋と雑貨屋を営む女性(于素秋)に相談する。彼女はいまだ庚虎を思い、陰ながら彼らを助けており、2人を逃がしてやろうと考える。しかし話しを立ち聞きされ、金蘭の父親が阻止することになる。ことのすべてを知った父は、娘の子は降ろして従兄に嫁がせ、庚虎と祖母を村から追い払うことしたのだが・・・・。


林黛、趙雷というのは《江山美人》の組み合わせ。ここではお嬢様だがしっかりものの林黛と、優柔不断な趙雷になっている。最後は、カタルシスが足りない終わり方で、観客が「下」はないのか?と口々にいい帰っていった(笑)。
というのは、村を追われた庚虎と祖母は、家財と牛を連れ旅立つが、途中盗賊に会い、庚虎と牛と家財を奪われて、祖母はショックで「庚虎」と叫びながら村に帰りつく。それを見た酒屋を営む女性は金蘭の父に詰め寄る。娘も父を責め、自分は子を生み祖母の面倒を見るという。しかし年月が経っても庚虎は家に帰ってこないのだった。というわけで、庚虎は死んでいるのか(たぶんそうだろが)、どこかで生きているのか不明で、林黛は子を生み、育て、ただ待っているのだ。途中、ここで終わるかと思われる箇所が2か所ぐらいあるが、終わらず、結局2時間たっても、はっきりせず、すっきりしない。当時はこの終わり方で良かったのだろうが、これだけ前置きがあると、やっぱりすっきりさせて欲しいと思ってしまうのだった。
困り顔の趙雷は、30代の梁朝偉トニー・レオン)に少し似ている。
邵氏で広東語でモノクロ。英語字幕の入る部分とない部分が混在しているので、電影資料館でフィルムを寄せ集め1本にしたのかもしれない。2007.5.12@香港電影資料館「李翰祥電影回顧」


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