毎當變幻時

《毎當變幻時》楊千嬅(ミリアム・ヨン)、陳奕迅(イーソン・チャン)、馮淬帆(スタンリー・フォン)、黄渤(ホアン・ボー) 
羅永昌(ロウ・ウィンチョン):監督


1997年、阿妙は27歳。父親(馮淬帆)の作った借金の為、仕方なく富貴墟に戻ってきて魚を売る。夜は富貴墟の前に屋台を出してお粥や炒麺を売る日々。30歳前には借金をすべて返して、富貴墟から出て行こうと心に誓っている。富貴墟では商売敵の魚佬(陳奕迅)が、阿妙を目の敵にしているが、猪肉佬は密かに阿妙を思っている。そんな富貴墟と、阿妙と魚佬の10年。


富貴墟の10年は、家主がカナダに移民したり、近くに新鮮で清潔がウリのスーパーができ対抗策を考えたり、猪肉佬は富貴墟を出て羽振りが良くなったり、サーズがあったりして、富貴墟は突然政府から取り壊しを言い渡される。阿妙と魚佬の10年は敵から同士にそして微妙な関係に。しかし阿妙が30歳になったその日、阿妙の父が突然亡くなる。しかしいつも賭け事に負けてばかりの父がその日は勝って、借金を返してきたのをきっかけに阿妙は富貴墟を出て新たな人生を歩み出す。
数年後、メイクアップアーチストとして成功した阿妙は偶然魚佬に出会うのだが・・・。


エピソードを上手く挿入しながら、2人の関係の変化と街市の変化で香港の10年を見せてゆく、返還10周年記念映画。それなりに面白い。ただ香港人ほどは、面白がれていないような気がするが・・・。自らの意思を貫いてゆく阿妙、恋愛よりもまず先に仕事での成功を考えるのは、人間としては正しい選択なのだが、最後が少し寂しげだ。映画なんだから、愛も仕事も成功させてやってもいいのに(笑)。
《瘋狂的石頭》の黄渤がよい味。台詞は広東語吹き替えだが、見かけだけでも十分に味がある。《師奶唔易做》の覃恩美は、かなり老け役にされている。鄭融(ステファニー・チェン)はチラと出て来て面白い。彼女、コメディが出来そう。
2007.6.30@旺角百老匯


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