女人本色

《女人本色》梁詠琪(ジジ・リョン)、薛凱琪(フィオナ・シッ)、林子祥(ジョージ・ラム)、鄭嘉穎(ケヴィン・チェン)、聶遠(ニエ・ユエン)、小儀(シウイー)、張敬軒(ヒンズ・チャン)、許紹雄(ホイ・シウホン) 
黄真真(バーバラ・ウォン):監督


出来る女性が様々な困難にぶつかりながらも、力強く生きてきたこの10年の姿を描く。「返還記念映画」とはっきり銘打っている。
成在信(梁詠琪)は大会社の財務担当。結婚して子供もいる。97年、同じ会社につとめる夫・杜林(林子祥)は突然CEOを降ろされ、大陸からやってきた程必聰(聶遠)がその職につくことになった。杜林は妻と子を香港に残しシンガポールで新しい職を見つけるが、香港の金融危機のあおりを受けて資金繰りが苦しくなる。
成在信の部下の宋曉彤(薛凱琪)はスリからハンドバックを取り返してくれたスタイリストと名乗る男とつき合うようになる。曉彤は男から最新のファッションを購入するようになるのだが・・・。


キャリアウーマンの梁詠琪は、いわば香港の象徴なのだろう。香港の主権が英国から中国へ返還されるように梁詠琪の上司は、英国よりの林子祥から大陸の聶遠に変わる。英国を忘れ、一時は大陸との蜜月を過ごす。途中、香港経済の墜落、アジア経済危機、サーズ、不動産の暴落とさまざさな危機に遭遇し、なんとかそれを乗り切ったものの、結局は中国もたよりにならず、自らの才気で活路を見いだして行く必要に迫られる。それでもへこたれることはなく、最後には香港から大陸へ進出するところで終わる。それはこの10年香港が歩んだ道。そしてこれからは、大陸がやって来たのではなく、大陸へ乗り込んで行くのだという気合いなのだろうと思う。そういう見方をすると、非常に納得できる作りだった。ちなみに薛凱琪は、あまり機能しておらず、単なる添え物。
2007.7.6@UA朗豪坊 


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