専題講座・香港電影「集體回記:戦後香港電影反映社会変遷的経験分享」

講者:劉成漢(映画製作、評論家) 於:香港中央図書館


「戦後の香港映画に見る社会の変遷」といったタイトルだが、香港映画の歴史をなぞるという感じだった。
その中で面白かったのは、60年代の香港映画事情。電懋(國泰)や邵氏など国語片、光藝などの粤語片、西洋映画をどういう人が見ていたかという話しでは、香港は階層社会だというのがはっきり分かった。
当時、字幕はなかったので(字幕を付け始めたのは、邵氏だったと思うが、はっきりした年代は調べていないので分からない)、英語の西洋映画を見るのは中学(日本でいえば高校)を出た人たち。電懋(國泰)や邵氏などの国語片(普通話の映画)を見るのは、上海や北京からやってきた教養人、光藝などの粤語片(広東語の映画)は最下層の人が見ていた。粤語片の中でも粤劇(大戲)をただただ写した映画は年配の人、光藝などは若い人と、かなりはっきり分かれていたようだ。