誤佳期

《誤佳期》李麗華、韓非、姜明、劉戀 
朱石麟・白沈:監督 1951年 モノクロ 國語 龍馬


結婚式の楽団のラッパ吹き(韓非)はいつも他人の結婚式でラッパを吹いているが、いったい自分はいつ結婚できるのやら。隣に住む太鼓担当の妻が、ラッパにいい人を紹介してくれるという。ラッパが恥ずかしがりながらも出かけていくと、太鼓の妻が紹介しようとしていたのは、なんと幼なじみの阿翠(李麗華)だった。すぐに意気投合した2人は、付き合いを重ね結婚をしようと考えるが、お金のないラッパは式も挙げられないし住む場所も確保できず、結婚にはまったがかかっている。心配した阿翠の父は嘘をついて家を出て、2人に住まいを与えてやろうとするが、嘘がばれてやはり2人は一緒には住めない・・・。
途中、阿翠の父が怪我をしたり、阿翠の家が取り壊されたり、お金をためようとワンタン麺屋を開いてみるがいまひとつ儲けには繋がらず、いろいろな困難を乗り越えて、最後に2人は友人たちの協力で結婚でき、住まいも見つけられてめでたしめでたし。


愚直なラッパ吹きと機転のきくよい娘・阿翠の組み合わせが、ほのぼのとさせる。ラッパ吹きの髪の寝癖、阿翠の家の前の石にいつも躓いたりと、観客を適度に笑わせて和ませてくれるのは今の香港映画にも通じるものがある。ラッパ吹きの大家だけが少々嫌な人物だが、その他出て来る人は心の優しい人ばかり。ここでも貧しい人は1人の力では何も出来ないが、みんなが力を合わせれば、どんなことでも解決できると力説する。
ラッパ親子も阿翠親子も広州あたりから香港に出て来ているという設定。阿翠のつとめが紡績工場というのも、当時の香港を象徴しているのだろう。
2008.3.22@香港電影資料館「大時代小故事:朱石麟的電影世界」


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