應召女郎

《應召女郎》恬妮、丁珮、金霏、陳曼玲、李琳琳、龍剛、鄧光榮、曾江、宏喬 
龍剛:監督 粤語・無字幕 カラー 1973年 榮華


風俗産業に従事する女性たちを描き、社会問題を提示する。
豪華な住宅に住み表向きはファションモデルで彼氏もいるが実は娼婦、お金が貯まったら結婚しようといわれて貯めたお金を持ち逃げされてしまう娼婦、心臓病の夫と4人の子供のため夫を騙して客を取っていた妻、男に騙され娼婦になり妊娠してしまう女性、チンピラに目を付けられた不良少女が誘拐され娼婦にされるまで、5人の女性を通して娼婦の事情と彼女たちを取り巻く社会を描く。


劇中、5人の女性たちの物語に呼応するように、売春合法化についての討論番組が展開されていく。この番組のパーソナリティ(曾江)が、インタビューすると、「娼婦は必要でりっぱな職業だ」と答える若い男(鄧光榮)は、実は自分の彼女が高級娼婦だと知ると途端に態度が変わる。自ら娼婦を買っている実業家は、インタビューで「娼婦を買うことはない」と答えるなど、上流社会の矛盾を描き出す。
目の不自由な祖母を1人家に残して飛び出し、男に騙されて娼婦になってしまった女性は、最後には年季の入った娼婦に諭され1からやり直そうと祖母の待つ家に帰るが、警察に逮捕されてしまう。心臓病の夫は、妻の仕事を知ってしまい子供を道づれに自殺、それを見つけた妻も後を追うという悲劇で幕を閉じる。
今見るといかにもな社会問題提示でクサい感じがするのだが、たぶん公開当時は意義のある内容だったのではないかと思う。この映画と《性工作者十日談》(id:hkcl:20070328)を見比べると興味深い。
2008.6.21@香港電影資料館「本土關懷」


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