籠民

《籠民》喬宏、廖啓智、谷峰、泰迪羅賓、李名煬、黄家駒、周驄 
張之亮(ジェイコブ・チャン):監督 1992年 カラー 粤語 影幻


ほんの1畳たらず、周囲を鉄の網で囲われた檻のような部屋に住む男達の日常を描く。
築40年以上の古い樓の1角、部屋の中には1畳たらずの広さのケージが重なってっている。大家(喬宏)と知恵遅れの息子(廖啓智)が取り仕切っている。ここには貧しい1人暮らしの男たちがひしめいている。そこに1人の若者(黄家駒)が住むようになる。


立ち退き、保証金などを巡って住人たちが対決したり、力をあわせたり。2人の議員がここを利用してなんとか株をあげようと、成り行きで3日間住むことになったりする。劣悪な環境で悲惨かというと、なんだかんだいいながら、住人たちは意外にのんびり、自由に生きているように見える。しかしそれはここがシェルターのような役割を果たしているからかもしれない。住人たちを見回りながら議員が言う、「これは老人問題、これは◎◎の問題、これは××の問題、これは△△の問題、これは・・・・・」。実はここには問題が山積みされている。


VCDを持っていながら、長い事見ないでいたのは、見て辛くなるではと思っていたからだ。ところが映画全体はけして悲惨な表現に満ちているのではなく、ユーモアを交えながら問題を浮き彫りにしていく。この映画、第12回香港電影金像奨では、最優秀作品、監督、脚本、助演男優賞(廖啓智)を受賞している。
2008.6.22@香港電影資料館「本土關懷」


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