樓下閂水喉

《樓下閂水喉》石霞、謝賢、鄭君綿、黄楚山、高魯泉、陶三姑 
潘炳權:監督 1954年 モノクロ 粤語 無字幕 廸華


古い3階建ての唐樓の住人たちの水を巡る悲喜こもごも。
1階の商人は水を独り占め、水を売って金儲けしようとする悪徳商人。上の階に住む包祖婆(大家)の甥は遊び惚けており、水が不足しているにも関わらず毎日のように水浴びをしている。3階に住む一家は屋台で粥を売っているが、水がなければ商売にならない。その他、ダンスホールで働いている女性、建築関係の仕事をしている男たちが住んでいる。


1日3時間しか水が提供されず、毎日のように水を巡って争いが起こる。屋台を営んでいるものたちは水を買わなければ商売ができない。粥屋一家は、借金もあり家賃もためている。水がなく屋台は開けない。みなが協力して1階から水をこっそりいただき、屋台を開かせてやろうとする。うまいこと水を手にいれたところ、夜中に大家の甥が水浴びに使ってしまった。朝になり水がないことを知った息子は大家の水を拝借したのが、水の中には金魚にやる餌のゴカイが入っていたからさあ大変。この事件で父は客と争って足に大けがを負った。と同時に1階の悪徳商人が屋台開業の許可書を取り上げ、借金を返すまでは許可書は返さないという。医療費は隣近所が貸してくれたが、しばらく屋台は開けない。これではいつまでたっても借金は返せない。そこで娘はダンスホールで働くことにした・・・・。


というように、水がない為につぎつぎと不幸が襲って来る。ただし最後には貧しいものたちは協力して悪徳商人を懲らしめて、大雨が降って終わる。
息子を演じているのはとっても若い謝賢(パトリック・ツェ)。1936年生まれなのでこの時18歳。wikiによるとこの作品が映画デビュー作らしい。
香港の「水」は雨水やわき水に頼っていたため、1950年代には水不足が深刻になっており、たぶん映画と似たような情況はあちこちで起こっていたのだろう。香港は、1960年代になってようやく大陸から水を引いてくることになる。
2008.6.28@香港電影資料館「本土關懷」


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