Sell Out(賣出)(セルアウト!)

監督(右)と主演の俳優。Jerrica Lai、Peter Davis、Kee Thuan Chye 
Yeo Joon-han:監督


テレビの女性レポーター、彼女の番組はどうも視聴率がよろしくない。ある日、元彼氏が病気だというので見舞いに行くと、「おれは死にそうだ」と彼氏が言う。ちっとも本気にしなかった彼女。彼氏はテレビカメラに向かって彼女に捧げる詩を朗読し、息絶えてしまった。このビデオを放送すると、大きな反響が。彼女は亡くなりそうな人を訪ねる番組を作ることになる。
いっぽう、オリジナリティ溢れる製品を作って会社に持ち込んだ青年は、コピーばかり作っている会社にけんもほろろに断られていた。製品を抱え嘆く青年・・・・。こんな話しがチープなミュージカル仕立てで進んで行く。それも広東語と北京語と激しくマレーシアなまりの英語のミックスで。


美しい英語を話す青年は、プレゼンで「君の言っていることが分からない」とマレーシアなまりの英語を話す会社の偉いさんに言われてしまう。そしてこの偉いさん「but」という言葉が大嫌い。相手が反論しようとすると「but」と言うなとどなりまくる。出演者はオフィスでタバコをスパスパ吸っている。香港と違って、オフィスは禁煙ではないようだ。
《賣出》はチープで、皮肉もあって面白かったが、少し長かったかもしれない。でもこの監督なかなか面白いと思う。


《賣出》の上映前に、短編の上映があった。
最初に病院が映り、誰かが亡くなったと思わせるシーンが登場する。次にお年寄りたちが、「子供のころは◎◎になりたかったんだ」とカメラ目線でつぎつぎ語っていく。写真屋の爺さんはスターになりたかったといい、あるおばあさんは画家になりたかったという・・・。そう子供のころに成りたかったものについて話しが出来るのは、りっぱに成長して大人になった人だけ。7歳で亡くなった子供は、おとなになったらパイロットになりたいと思っていたが、それが実行できたのかどうかは分からないんだ・・・。
この短編は《Adult Only》という。短編の方がコンパクトでインパクトがあった。
2008.10.24@Palece Ifc(香港亞洲電影節)


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