機動部隊・同袍(タクティカル・ユニット(機動部隊-絆-))

《機動部隊―同袍》任達華(サイモン・ヤム)、邵美琪(マギー・シュウ)、林雪(ラム・シュ)、黄智賢(ベン・ウォン)、彭敬慈(サミュエル・パン)、阮民安(トミー・ユン) 
羅永昌(ロウ・ウィンチョン):監督


杜琪峰(ジョニー・トー)がプロデューサーをつとめる《機動部隊》シリーズの1作。全5作あり、うち1作は昨年、亞洲香港電影節で上映された《機動部隊―警例》(id:hkcl:20081021)。《機動部隊―同袍》のみが劇場公開。


森哥(任達華)とMay姐(邵美琪)がそれぞれ率いるチームは、お互いに権勢しあっている。泥棒を追いかけお互いのチームが手柄を取り合うこともあった。ある日拳銃強盗が発生、両チームは陸路で大陸に逃れようとする強盗を探し出すため、新界の山中に入っていくことなった。今回のリーダーは上司のお眼鏡にかなったMay姐がつとめることになった。


森哥チームとMay姐チームの手柄争いは凄まじいのだが、別の見方をすれば滑稽。森哥チームが職務質問し犯罪歴がなかった男に、それを見ていながらMay姐チームも職務質問。男にしてみればたまったもんじゃない(笑)。こそ泥を追いかけては、2チームが手錠の掛け合い。ここまでが映画のイントロ。


舞台が山に移ってから、森哥とMay姐らが出会うのは、森の岩や廃屋に「世界平和」と書き付ける男や、怪しいアジトを持つナイフ男。森哥とMay姐らはナイフ男を追いかけて山の奥深くへ入り込み、地下道を抜け霧が立ちこめる森に迷い込んだ。車両係で役立たずの肥棠(林雪)は、森哥やMay姐に車で弁当を届けるはずが、車は途中でパンク。タイヤ交換をしたくないばかりにスペアタイヤを山に捨ててしまう。そのころ賊は・・・。と、バラバラな場所に居てバラバラに見える人々が、次第に互いにつながりだし、物語の最後に向かって収斂していく様は、かなり杜琪峰っぽい。しかし、俳優たちは杜琪峰映画より躍動的だし、感情も豊富。彭敬慈や阮民安と言った、杜琪峰映画には馴染みのない人々も参加ている。狂言回し役は林雪。美味しいところを全部もっていったかも。それにしても林雪のお腹のふくれ具合は本当にすごい。
2009.1.10@旺角百老匯


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