おくりびと(禮儀師の奏鳴曲)

《禮儀師の奏鳴曲》本木雅弘広末涼子山崎努余貴美子吉行和子笹野高史杉本哲太峰岸徹 
滝田洋二郎:監督


細かいストーリーは省略。父親の話しが出て、山崎努の妻の話しが出たところで、なんとなく後半が見えた。全体に分かりやすく無理していない物語展開だった。そして思っていた以上に娯楽映画だった。前半は香港の観客もかなり笑っていたが、後半から終盤にかけては涙を光らせた人も。
カメラも1か所真上からのショットが少し気を衒っていたかもしれないが、その他は普通。さらに山形をことさら綺麗に描くこともなく、普通の田舎町として撮っていた。だたし主人公の家の内部はかなり作り込んでいて、ひなびた街にあっただろう店を再現していた。


祖父母と母の葬儀を出しているが、納棺に立ち会った記憶がない。母の時には立ち会ってしかるべきだが、記憶に残っていないのは、悲しい記憶を封じ込めてしまっているからかもしれない。葬儀にいたる一連の儀式は、亡くなった人のためでもあるが、当然見送る人々のためのものでもある。それらを執り行うことで死を受け入れていかなければならない。それがいやで記憶から消してしまっているのかもしれない。見終わってそんなことを考えた。
2009.3.16@UA時代広場(プレミア上映)


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