温柔郷

《温柔郷》林黛、張揚、雷震、于素秋、蘇鳳 
易文:監督 1960年 電懋 モノクロ 國語 無字幕


小圓(林黛)は、香港に住む従兄(張揚)の元へやってくる。従兄は、すっかり従妹のことを忘れており会社の部下(雷震)に迎えに行かせる。小圓が家にやってくると従兄は友人を集めてパーティーの真っ最中だった。従兄には3人の彼女がいて、毎晩のように女性たちとデートを繰り返す日々だった。子供の頃から従兄が好きだった小圓は、従兄の廻りの女性を知恵をめぐらし1人ずつ退治しようとする。無意識を装ってデートの邪魔をしながらなんとか2人は撃退したが、残った1人と従兄は婚約してしまった。小圓はがっかり。しかし従兄の部下(雷震)が一計を案じ、新作水着ショーにモデルとして小圓を出演させた。これを見た従兄は本当の自分の気持ちに気がつくのだった。


コメディであることもあり、國語で無字幕だったがかなり物語は理解できた。易文が脚本、監督していることもあり、とても面白いし、洒落ている。張揚は家の階段の途中にスケジュール帳をしまっていて、予定が入ると、かっかっかっと階段を途中まで登ってそのスケジュール帳で確認する。その仕草がたぶん当時はかっこいいと映っただろう。林黛は最初こそ尖端を行っている香港に戸惑いを見せるが、すぐになれ従兄の彼女たちと肩を並べ、さらには頭を使って彼女たちに立ち向かっていく。そしてどんどん自信を付けて、最後には従兄を振り向かせてしまう。けして卑劣な行為で陥れるのではなく、むしろ可愛らしくいたずらをしていく様は、洒落たフランス映画の雰囲気だった。
2009.9.20@香港電影資料館「林黛」


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