大丈夫日記2

《大丈夫日記2》南紅、張英才、李琴香、羅蘭、林彬、張清、俞明、梅蘭、林艷、高魯泉、馬笑英 
楚原:監督 粵語 モノクロ 1964年 高峰 DVD


江徳信(張英才)と妻の雪心(南紅)は子供が1人で十分だと思っている。ある日、アメリカに行っている叔父(駱恭)が香港に戻ってきて、自分の後をついでくれる子供を親戚一同の誰かから養子にもらいたいと言う。叔父は妻に死なれて以来独り身で子供がいない。叔父の弟も妻に死なれたばかりで子供がおらず後添えをもらう気はない。さらにその他の親戚にもみな子供がなかった。叔父はてっきり江徳信に子供が数人いるものと思っていたが、子供はたった一人だった。さらに新たに子供をもうける気がないと知って、江徳信に妾をとって子供を産んでくれるようにという。一計を案じた徳信と雪心は、自分が妊娠していることにして、なんとかその場をやり過ごそうとするのだが・・・。


タイトルを見て分かるようにこの作品の前に同じ配役でやはり1964年に《大丈夫日記》という作品がある(未見)。その続きがこの作品。元はラジオドラマだそうだ。楚原はこの作品もしくはこのタイトルが気に入って、後に周潤發(チョウ・ユンファ)主演の作品に同じ題をつけたのだろうか。
妊娠していない雪心と、妊娠している友人の妻・多多を入れ替えて、見舞いに来る徳信の叔父や多多の両親をごまかそうとする様は、周潤發が《大丈夫日記》で2人の美女を相手にてんてこ舞いする姿に受け継がれているように思える。


劇中には「妾」をとるとか「平妻」をとるということばが出てくる。ネットで調べると「平妻とは一夫多妻制度における1人以上に正妻のこと。平妻の子供は嫡子で正妻の子と同様の地位で遺産相続の権利もあった」と出てくる。さらに香港では英国に割譲された後も、香港の中国人には「清朝律例」が適用されており一夫多妻が認められていて、1971年になってようやく一夫一婦制が明文化されたという。これはかなり驚いた。


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