安非多命

《安非多命》Q&A。彭冠期(バイロン・パン)、白梓軒(トーマス・プリンス)、梁敏儀(ウィニー・リョン) 
雲翔(Scud)・劉國昌(ローレンス・ラウ):監督


アメリカ帰りで金融関係の仕事をするダニエル(白梓軒)は、町で見かけた男(彭冠期)が気になる。ある日、偶然にも2人は同じ廟で占いをし、同じ数字を引いた。男はカフカといい水泳のコーチをしていた。カフカには彼女がおり、ダニエルの恵まれた生活とは異なり、田舎の家には薬物中毒の兄、そして病院に入っている母がいた。生活も生き方も違う2人の男の愛を描いていく。タイトルの「安非多命」はアンフェタミンの事。


《無野之城》《永久居留》につづく監督雲翔の3作目。前作同様、方や比較的洗練された職業と住まい、方や素朴もしくは貧しいという対比と、方やゲイで方やストレート。今回はこれに薬物が加わり、建設中の橋(昂船洲大橋)に自らの心情を重ねていく。III級なので、包み隠さずいろいろ見えるのだが、ちょうどよく鍛えた男性を揃えているのと、綺麗に撮れているので不愉快ではないのだが、2人とも演技が上手いというわけでもなく、映画がいいのか悪いのかよく分からない。前作でも思ったが、彼の撮る香港の風景はずいぶんと洗練されて見える。
ついでながら、III級映画に出演してもきわどいところで止めていた梁敏儀の胸が見えるのはちょっと驚いた。白梓軒はミックスでモデル兼俳優。《十分愛》《破事兒》《黒勢力》にも出ていたらしい。
映画祭上映はノーカット版で、一般上映では彭冠期が男に強姦されるシーンで画面が暗転して音だけが流れるらしい(未確認)。
2010.4.6@香港國際電影節(香港文化中心)


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