珮詩

《珮詩》甄珍、秦祥林、龍剛、關山、柯俊雄 
龍剛:監督 1972年 カラー 国語 榮華


珮詩(甄珍)は、日本人外交官(秦祥林)との結婚がかなわず傷心の日々。生きて行く糧を失い自殺しようと考える。兄と姉が駆けつけ、すんでのところで命を取り留めた。兄(龍剛)と姉は、珮詩に好意をよせる(柯俊雄)と珮詩を結婚させる。兄と姉はアメリカへ移民、珮詩は香港に残った。結婚してみると夫には暴力的な傾向があった。妻は夫との関係を疎み、夫はなじみの女性の元を訪れるのだった。妻は心労のため倒れ、階下の医者がかけつけことなきを得るが、妻は夫と寝室を分け、さらにカナダへの転勤を命じられた夫に同行しないとつげる。夫は激怒し心身のバランスを崩して暴力を振るい精神的な病と判断されるのだった・・・。
さらにほどなくして、妻の元に夫の子供を妊娠したといってくる女性があり。自分も亭主がおり、産まれてくる子供を自分の子として育てて欲しいと懇願、さらには自分の夫がお金に困っていると援助をこう。妻は自分が妊娠したことにし、さらにいくらかの金もわたしてやるのだった・・・。


柯俊雄の変態ぶりと甄珍の可笑しいまでの自己犠牲。愛と同情、愛と独占、愛と犠牲、愛と性。そしてトラウマなど、心の奥にある感情を描こうとして意欲的。男の暴力ぶりにふと譚家明(パトリック・タム)監督、龍剛も出ている《愛殺》を思い出した。
2010.4.25@香港電影資料館(作者本色:龍剛電影)


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