亞洲電視、粤語片400本を資料館に寄贈

亞洲電視片庫移交儀式(ATV Film Library Handover Ceremony)が昨日、香港電影資料館で行われ、楊立門・民政事務局常務秘書長、胡競英・亞洲電視行政總裁、俳優の南紅、鮑起静(パウ・ヘイチェン)、盧海鵬(ロー・ホイパン)、姜皓文、劉錫賢らが出席した。
今回、電影資料館に寄贈されたのは1940年から90年に制作された粤語片(広東語映画)の他、国語片(北京語映画)や潮語片(潮洲語映画)も含まれ、馬師曾と紅線女の《審死官》、[登β]寄塵の《范斗》、關徳興の《黄飛鴻火燒大沙頭》、任劍輝と白雪仙の《三審状元妻》、謝賢と南紅の《唐山阿嫂》などがある。
「粤語長片」(広東語映画)は香港人と成長をともにしてきた映画で、大衆のコレクティヴ・メモリー(集体回憶:みんなの共通の思い出)となっている。香港映画の保存のため、亞洲電視は映画版権者の同意の元、ライブラリーで所蔵している約400本の映画を香港電影資料館に寄贈し、これらの映画は資料館で永久保存されることになった。またのこりの300本についても今後、版権者の同意がえられれば、資料館に寄贈する予定だ。By 2010.7.9「文匯報」

実は、なんでテレビ局(亞洲電視)がこんなにも映画フィルムを持っているのかが不思議に思われ、知り合いの評論家に尋ねた。かつてテレビ局で映画を放送する際には、まず契約し、フィルムのコピー(コピーといってもフィルムだが)をテレビ局に送ってもらい、そこからベータを起こして放送していたそうだ。契約は1年、そしてまた1年とながい期間にわたったものもあるが、契約期間が終了しても借りたフィルムを映画会社へ返却することはまずなかったそうで、それらが倉庫に眠っていたということらしい。
本来なら契約が終われば映画会社に返却されるフィルムが長年の習慣で返却されずテレビ局の倉庫に保管されていたのだが、返却されていたら、散逸していた可能性もあり、当時の有る意味杜撰な習慣が貴重なフィルムを保存することになったということのようだ。
なお、TVBも同じような状態で映画フィルムを保存していたようで、こちらはすでに資料館に寄贈しているはずとのことだった。