魂歸離恨天

《魂歸離恨天》張瑛、梅綺、周坤玲、張清、黄曼梨 
左几:監督 1957年 モノクロ 粤語 無字幕 電懋


蕭家の養子・大昌(張瑛)は実子である弟から常にいじめられていた。妹の凱玲(梅綺)は自分の見方になってくれており、お互いに思いを寄せるようになっていた。母が亡くなったとたんに、弟は財産を独り占めし、兄を使用人のようにこきつかった。ある日、大昌と凱玲は夜遅く好奇心から隣村の医者の家をのぞきに行き、凱玲は足に怪我をしてしまう。医者は怪我が治るまで凱玲を預かることにした。医者の家には娘と息子がおり、娘の格好もハイカラだった。怪我が治り、田舎の家に帰ってきた凱玲は身なりすもっかり垢抜け別人のようになっていた。凱玲が心がわりしたと思い込んだ大昌は家を飛び出した。
数年して金持ちになり家に戻った大昌は、妹が医者と結婚した事実と、人手に渡りそうな家と、おちぶれた弟を目にした。医者の妹はすっかり大昌を気に入り、義姉に打ち明ける。そして大昌が帰ってきたことを知った凱玲の心は大きく揺れうごいていくのだった・・・。


エミリー・ブロンテ嵐が丘》を改編し映画化。國泰の文芸作品の雰囲気をそのまま粤語映画に取り入れた作品。医者の夫と義理の兄に対する複雑な心境、義妹に対するこれまた複雑な感情など、しつこいほど丁寧に描いていく。小道具の使い方もすばらしい。
2010.10.9@香港電影資料館(美好年華・國泰75周年紀念展之「不一樣的粤語片 左几的國泰作品」)


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