故園春夢

《故園春夢》
夏夢、鮑方、平凡、王小燕、陳碩修(石修) 
巴金:原作 朱石麟:監督 1664年 国語 カラー 鳳凰


楊家の父は子供のころ、祖父の寵愛を一身に受けて育った。場打ちにあけくれ、アヘンを覚え、結婚して子供がいる身になってもは働きもせず、家の蓄財を使うことしか考えられない。ついには祖父が作り大切にしていた庭のある邸宅が人手に渡ることになった。それでもアヘンは止められない。家を売った金も使い果たし、息子から激しく叱咤され、父は家を出て、元の屋敷の近くの廃屋に隠遁する。
家を売った姚國棟は息子・小虎と後添え・昭華の3人家族。息子は祖母と父の寵愛を受け、こらえ性がなく乱暴者。継母は小虎の行く末を心配し、夫に忠告をするが、いっこうに聞き入れてもらえない。
楊家の娘は父を慕っており、父の隠遁先をつきとめ、毎日通っていた。父が祖父と植えた庭の茶の木を懐かしむのを見て、こっそりと庭に忍び込み枝を手折った。そこを姚家の息子に見つかり喧嘩になった。姚家の継母が見つけ楊家の娘を知る。娘の後をつけ廃屋へいった継母は楊家の父の没落の理由を知る。祖父の寵愛を受けた楊家の父と自分の息子・小虎の姿が重なり愕然とするのだった・・・。


鮑方演じる父親の惨めさ情けなさといったらない。少し大仰な演技だが、裕福な家のどうしようもない息子のなれの果てが描かれていく。演技がどことなく舞台俳優的だと思い、略歴をしらべたらやはり舞台の経験があった。それに対比する娘のあまりに楽観さは見るものをいらいらさせるほどだ。そして夏夢演じる善良な昭華の夫へは届かない思い。登場人物の感情を細かく、今見るとどれも過剰なほどに丁寧に表現して暑苦しいほどだ。
ちなみに鮑方は女優・鮑起静(パウ・ヘイチェン)とカメラマン鮑徳熹(ピーター・パウ)の父親である。
2011.1.22@香港電影資料館(館蔵精選)


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