我愛HK開心萬歳

《我愛HK開心萬歳》梁家輝(レオン・カーファイ)、呉君如(サンドラ・ン)、李治廷(アーリフ・リー)、曾志偉(エリック・ツァン)、袁詠儀(アニタ・ユン)、馮淬帆(スタンリー・フォン)、陳法拉(ファラ・チャン)、王祖藍(ウォン・ジョーラム)、林雪(ラム・シュ)、陸永(ロック・ウェン)、黄宗澤(ボスコ・ウォン)、林欣彤(マギー・ラム)、徐子珊(ケイト・チョイ) 鍾澍佳:監督


父・呉順(梁家輝)は大陸のおもちゃ工場が破産、一家5人は祖父・呉通(馮淬帆)の住む屋邨にもどってきた。長男・呉明(李治廷)は食環署に勤めており無許可屋台の取り締まりをこの屋邨周辺でやっているので、少々気まずい。お嬢さま育ちの母(呉君如)は屋邨の生活になじもうと、まずはファッションから改造。さらにかつて働いていたエステサロンに再就職するが、かつての新入社員が上司になっていたうえにデモンストレーションでサクラにされ、ラップでぐるぐる巻きにされていた。上の娘・呉芝(林欣彤)は小柄でナイスバディでもないが、一度はモデルになってみたいとバイト中。呉順は屋邨での楽しかった思いを懐かしんでいた。そんなある日、かつて屋邨みんなの東華三院への寄付金を持ち逃げした托水龍(曾志偉)が戻ってくる。
セクシー売りの[青見]模(グラビアアイドル)を味わってみたものの、本当の美しさは心の美しさだとお宅なカメラマン(陸永)に教わる長女。非人情な食環署上司(譚耀文)に物申す長男。おもちゃ工場をつぶした呉順もへこたれず、エステサロンで上司からいいように扱われていた母は、これまた現在らしい理由で世の中の人気ものに。
そしてかつてお金を持ち逃げした托水龍が、またもみんなを騙したのかと思われるが・・・。


屋邨を舞台に香港の庶民や人情を描きながら、ちょこちょこと諷刺も挿入。屋邨の商業施設を管理する嶺匯は、大型チェーンに次々と店舗を貸そうとして、追いやられる屋邨の個人商店、なんとも弱い物いじめで非人情な食環署、夜中に突然尋ねてきて部屋の住人を確認しようとする房屋署審查員など・・・・。
梁家輝と呉君如の2人の芸達者が物語を牽引してぶれることはない。李治廷は期待を裏切らないよい子を演じ、小巨肺の異名を取る《超級巨聲2》の優勝者・林欣彤は無事に映画デビューし、徐子珊と鄭欣宜の美人姉妹パン屋の姿態となれの果ての容貌では多いに笑う。梁家輝の若い時は黄宗澤、曾志偉の若い時は王祖藍が演じるなど、昨年の《72家祖客》と同じく過去(87年)と今を行き来して物語りは進んでいく。過去を懐かしむとともに、過去のように屋邨全体が和気あいあいと家族のようにみなで助け合い協力して行こうというメッセージが込められている。物語も賀歳片に相応しい。なお、屋邨は彩虹邨でロケとのこと。
2011.2.2@旺角百老匯


■□11年に見た映画一覧□■