一丈紅

《一丈紅》
紅線女、張瑛、周坤玲、馮應湘 
李鐵:監督 1952年 
モノクロ 粤語 無字幕 瑛業


舞女(クラブの女)一丈紅(紅線女)は、気が強くわがままで、お金持ちには目がない。お金持ちのプレイボーイの黄三(馮應湘)は一丈紅を我が物にしようと試みる。一丈紅は不幸な身の上を語ってきかせ、住まいや車や宝石がなければ、ゆうことは聞かないと話す。さらには結婚してくれれば思い通りになってよいという。黄三はなんとか条件を呑もうと考えるのだが一丈紅ははぐらかしていた。翌日一丈紅は、いつもどおりクラブで別の男性と外出しようとしていた。一丈紅の態度に怒った黄三は一丈紅を殴り倒してしまい一丈紅は腰の骨を折る大怪我を負う。病院に入院した一丈紅の元へは誰も見舞いにやってこない。密かに一丈紅に思いを寄せていたクラブの元ボーイ阿童(張瑛)が見舞うが、一丈紅は迷惑そうだ。看護婦に一丈紅の家族と間違われた阿童は看護婦から手術代と入院費用を払うように言われる。阿童はクラブのマネージャーや一丈紅の客たちに借金を頼みにいくが、這々の体で追い返される。一丈紅はそれを知りかんしゃくを起こすが、指輪を売って病院費用を払う。行き先のない一丈紅を阿童は貧しい自分の家に引き取る。傷は癒え、歩けるはずの一丈紅だが、いっこうにベッドから起き上がろうとせず、わがわまま邦題。クラブを首になって職のない阿童は、身の回りのものを質に入れなんとか一丈紅の機嫌を取ろうとするが、贅沢とわがままの染みついた一丈紅は満足するすべをしらなかった。困り果てた阿童はある日、病院の待合室で置き引きをし医者に捕まる。医者はかつて一丈紅の客で、一丈紅の身を心配して阿童の家に尋ねて来る。医者のおかげで歩けるようになった一丈紅に医者は、週末にパーティーがあるから来ないかと誘う。しかし洋服もアクセサリーもないと一丈紅は嘆く。阿童は医者を訪ね窮状を訴えようと思うが、医者が帰ってくる前に医者婦人が寝室に置いたパールのネックレスを盗んでしまう。家に帰った阿童はパールのネックレスを一丈紅に見せパーティーに行くように諭す。そこへ医者夫婦が尋ねてくる。医者婦人は実は元クラブの女性で一丈紅とはいわばライバル。一丈紅がつけたパールのネックレスを見て、夫が与えたと勘違いし怒った医者婦人はクラブへまいもどりやけ酒を飲む。それをプレイボーイの黄三が目をつけ自宅へ誘う。車で妻を追いかける医者と一丈紅と阿童だった・・・・。


あらすじが長いのでこのあたりで。というわけで嫌な女な紅線女と純粋すぎてばかな張瑛の組み合わせ。最初の黄三とのやりとり、阿童へのやつあたり、歩けるようになってからカフェで出会うクラブ支配人とのやりとりなど、紅線女の気の強い女っぷりとわがまま演技が素晴らしい。張瑛のなさけなさがいっそう紅線女のわがままっぷりを際立たせる。これ、張瑛が自分の会社で撮った第1作目だというが、明らかに自分は引き立て役。紅線女には歌を披露する場面もあり、全編通して紅線女のための映画。今日、満席だったのはやはり紅線女を見に来たんだろうと思う。
2011.11.20@香港電影資料館(紅顔薄命 戲韻傳情・李鐵)


■□11年に見た映画一覧□■