風俗文芸小説《東莞的森林》映画化

《東莞的森林》映画化。このところネットで話題の風俗文芸小説「東莞的森林」は、作者・向西村上春樹(どこまでが姓でどこからが名なのか分からない)が東莞の風俗での遊び方を教えてくれるというもの。向西村上春樹は風俗嬢との激しいシーンを詳しく描いており、オタクたちは争ってこの小説を閲覧している。《3D肉蒲團之極樂寶鑑》の脚本家・胡耀輝(マーク)は、来月この「東莞的森林」を映画化し、眼鏡を掛けてガリガリの陸永(ロック・ウェン)に主人公の向西村上春樹を演じさせ、大陸で風俗遊びをする様子を3Dで描こうとしている。
日本の著名小説家・村上春樹の作品『ノルウェーの森』は知らない人はいない作品。有名作品は自然と翻案される運命で、向西村上春樹という香港のネット作家が昨年から高登討論区(2ちぇんねるのような香港一の掲示板)で「東莞的森林」(東莞の森)という風俗遊び小説を発表している。彼は村上春樹風文体で東莞へ行き風俗遊びをする様子を描いている。それはばかばかしく喜劇的で、ネチズンはこぞってアクセスしている。向西村上春樹はあっという間に人気者になり、2か月前には『一路向西』を上梓、これがファンを惹きつけ、一時は品切れになるほど。3D欲情映画《3D肉蒲團之極樂寶鑑》の監督・孫立基と脚本家・胡耀輝は「東莞的森林」を読んだあと、インスピレーションがわき、来月この人気作品を映画化することを決めた。
今回マークは脚本・監督・出演の3役をこなし、コンビの孫立基はプロデューサーをつとめる。2人はこのところ準備に忙しい。出資額は800万から1000万香港ドルで、大陸からの旅行者が見られるようにと国慶節上映を目指している。
映画版《東莞的森林》は原作に忠実で、失恋のあとの空虚な心をかかえた香港人の男性が、やがて東莞へ行き風俗遊びをするというもの。その間に風俗嬢との様々なからみや激しいシーンがある。主演には農夫の陸永、また主人公の周辺に登場する元カノや風俗嬢の小思には、33Dの何佩瑜(ジーナ・ホー)、34Eの陳静(ダダ・チャン)、33Cのヤンママモデル陳静儀(ミア・チャン)らグラビアアイドルの名があがっている。
昨日記者はマークに電話で確認したところ、「この映画は現在準備中。僕はずっと《アメリカン・パイ》のような映画を撮りたいと思っていた。昨年討論区で向西村上春樹の作品を読んで、すぐ準備に取りかかった。脚本はできるかぎり原作に忠実にし、作品の神髄を映画で表現しようと考えている」と話した。また版権は購入したのかと問うと、マークは「7桁の金額で版権を購入した」といい、男女主役について、陸永とジーナまたはミアなのかと問うと「はっきりいうと、主演男優については陸永と話をし、C君に友人役をとも考えている。女優は4人で、ジーナ、ダダ、ミアとちょうど話しをしているところで、ジーナを主演にしたいと考えている」と語った。
マークは昨年《3D肉蒲團》に客演しているが、今回も出演するようだ。またマークは覆面作家の原作者・向西村上春樹にも客演をオファーしている。「向西村上春樹は仕事上の理由から身分は秘密にしておきたいと思っている。それは今後さらに大胆な作品を描くのに便利だからでもある。しかし僕たちは彼に出演するように話している。ただ彼がどんな役かは言わないつもり。観客には推測してもらいたい」。
原作は東莞の風俗店が舞台だが、内容から大陸で撮影するのは不可能。マークは「香港とマカオでロケするつもりで、さらにCGも使う。今回は3D版をつくる予定」と話した。ジーナは電話で「すべてはマネージャーに任せてあります」、また胸露出はあるのかと問うと「役柄と相手役によりますが、楽しい仕事なら拒否はしません」と語った。
2012.3.13「蘋果日報

大陸客をたっぷり集客し、昨年1番の興行成績を上げてしまった純粋香港映画《3D肉蒲團之極樂寶鑑》。売れれば次なる企画が出来るのはあたり前のこと。ネット小説が映画になると妄想していたものが形あるものになるわけだが、そのあたり上手くいくとけっこう面白かったりするのかもしれない。それにしてもこの小説なり映画なりを苦笑しながら見る香港男子がわんさかいたりするのだろうか・・・。