愛神(EROS)

 《THE HAND》王家衛(ウォン・カーワイ):監督 
 《EQILIBRIUM》スティーヴン・ソダーバーク:監督
 《THE DANGEROUS THREAD OF THINGS》ミケランジェロ・アントニオーニ:監督


各監督がエロスをどう捕らえるかというオムニバス映画。疲れていて、ソダーバーグのところで寝てしまった(恥)。観念的なことを言わない王家衛パートがいちばん素直で分かりやすい。しかし7日間で撮ったらしいので、大量なフィルムから紡出す王家衛映画の独特の画面の緊密さは少ないようには感じる。
鞏俐(コン・リー)が顎を少しあげているのを下から眺めるカットが、彼女を一番、生意気に見せる。このちょっとしゃくれた顎は章子怡チャン・ツィイー)も同じ。
やはりエロスは女性に宿るものなのだろうが、私的には、仕立て屋の張震チャン・チェン)の手の方にエロスを感じてしまう。彼が鞏俐を採寸する手、ドレスを縫う手(これがもっと頻繁にアップでてきてもいいのに)、主を思いドレスをまさぐる手、その方がエロス。
2005.5.14@百老匯電影中心


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