森冤(死の森)

《森冤》鄭伊健(イーキン・チェン)、舒淇スー・チー/シュウ・ケイ)、李彩華(レイン・リー)、林雪(ラム・シュ)、周俊偉(ローレンス・チョウ)、劉兆銘(ラウ・シウメン)、阮民安(トミー) 
彭發(ダニー・パン):監督


「近年森に入って自殺する人が急増している。そんな神秘的な森は日本とタイと・・・」とテレビのレポーター美樹(李彩華)が、恐怖心をあおるように話している。そんな番組は信用できないという植物学者の沈樹海(鄭伊健)は、植物には感情があり、視覚も聴覚もあり、記憶もあることを証明しようとしていた。しかしそのレポーターは樹海の彼女。いい加減な番組はやめるように諭すが彼女は聞き入れない。
刑事課の夏松梓(舒淇)は、森で起こった強姦殺人事件の容疑者・黄柏木(周俊偉)の有罪をなんとしても証明したいと考えていた。ひとり森へ出かけ証拠を探し出そうとするが、道を見失い怪しい霧が彼女に覆いかぶさってくる。気を失った彼女を助けたのは森の番小屋に住む男(劉兆銘)だった。何の証拠も探し出せなかった彼女は、沈樹海が植物に感情があるというのをテレビで見て、事件解決に協力してほしいと訪ねてきた。


森が神秘的というのは、映画ならいろいろ使い道があると思うのだが、この映画ではいまひとつ面白みや創造性に欠ける。森にはいろいろな伝説がつきものだし、鬱蒼とした森には、何か得たいの知れないものが潜んでいそうだと思うのは、ごく普通の感覚だと思う。そんな普通の感覚も満足に描けておらず、神秘の正体がよく分からない。そこもっと突っ込んで欲しいと思うところがあるのだが、あっさり流されてしまう。植物が感情や記憶を持つという着想はいいが、話しの展開に深みが足りない。映画が全然神秘的ではない。脚本のネリが明らかに足りないだろう。なお主な出演者の名前はみな木編がつく。
2007.3.22@新寶戲院


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