『哈日族(ハーリーズー)何故日本が好きなのか』

哈日族(ハーリーズー) 何故日本が好きなのか』酒井亨:著 光文社新書ISBN:4-334-03248-6
哈日族」という言葉は『哈日杏子のニッポン中毒』(ISBN:4-093-87334-8)の著者で、台湾の漫画家・哈日杏子の造語。日本が好きでたまらない人たちのことを指す。 『ニッポン中毒』の方が中毒患者の症例だとすれば、本書はその症状の原因を探そうというもの。台湾の複雑な歴史をひもときながら、香港よりさらに重症患者と見られる台湾の「哈日族」の心理をも検討する。
新書本1冊では、ほんのさわり程度という感じ。なかなか面白いが、私としては、もっと症例(笑)が知りたい。この著者、ファッションなどには詳しくないのだろう。ドラマなどは、具体的な名が上がるが、ファッションやそれに付随する雑誌名などまったくあげていないのが残念。重要なのは、ブランド名やどこからそういう情報を仕入れているかという情報経路、さらに日本のどんな部分を受容しているのかという事なのだから。
ようはもっと具体的な症例(つまり聞き取り調査)が豊富だったら、私的にはもっと面白いのになぁ。
こいう調査をアジア全域でやってみたら、さらに面白いはず。それぞれの国にはどういう「日本像」が存在するのか、よく分かるはずだ。まあそんな事のかけらが少しでも出来たらと思ってもう1つサイトhttp://hkvigor.hp.infoseek.co.jp/を作ったわけだけど、ちっとも更新してなくて、チト反省してみたりして(汗)。
写真:新しい道路標識には、地番が書かれている。