《2046》公開3日で映像ソフト発売

今年初め中国大陸35の院線(配給)は共同で「北京宣言」にサインした。この「宣言」には、2004年2月1日以降、正規盤映像ソフトは、映画公開初日から15日以降でなければ発行できない、これに従わない場合は違反とみなす、と記されている。またこの宣言の規定には、正規盤映像ソフトを発売するには、映画公開初日より15日以降、映画公開前に正規盤を発売するなどの違反行為が見つかれば、院線(配給)会社は映画の上映を取りやめる、また映画上映開始から15日以内で正規盤ソフトを発売した場合は、院線(配給)は映画館にたいして直ちに上映を取り消すように通知し賠償を請求できる、と書かれている。
王家衛の新作《2046》は、20日上海で盛大に披露会が行われた。記者は21日、広東飛仕影音有限公司から《2046》の映像ソフトは、正式な上映開始から3日後である10月1日に発売されるという情報を得た。この《2046》の映像ソフト発売は、「北京宣言」に挑戦することを意味している。
飛仕のマーケティング部長は言う。《2046》の映像ソフトは10月1日に正式に発売される。それは9月28日の上映開始からわずか3日。《2046》の興行成績から見れば、まさしく「冷戦」となる。しかし部長は同時に、映像ソフトを早く市場に提供することは違反にはならないと言う。「《2046》は今年の目玉だと考えており、すでに準備は済んでいる。マザーテープの製作完了をまって10月1日には発売する。なぜこのように早く発売するのかというと、それは、すでに昨年7月には澤東公司と契約を交わしており、《2046》の版権を取得しているからだ。契約の中には映像ソフトは大陸の院線で上映後3日で発売可能と記されている。従ってその契約に照らして事を進めているだ。」
《2046》の契約を見る限りは「北京宣言」に違反しているとは言えない。部長はインタビュー時に「この件については大変クリア。版権についてはすでに昨年契約している。さらに版権料も支払っている。従って突然なことではない。」またこの映画の国慶節期間の興行成績とソフトの売り上げについては、部長は楽観的で「この映画に大変期待している。王家衛の前作《花様年華》は全国で興行成績2000万元。今回は多くのスターが出演しており、当然この数字を越えるだろう。ソフトについても予約が大変に好調。各地の卸しも《英雄》に続く大作とみなしている。今年の国慶節は《2046》一色になると信じている。」(後略)by 2004.9.22「東方娯楽」

これ中国大陸内のこと。こんな条例が出来ていたことを今日、初めて知った。香港にはこんな条例はないと思いますけど(たぶん)。15日とか3日とか、とにかくあまりに期間が短い事に驚く。これで10月1日には香港にも《2046》の海賊版(大陸版の海賊版)が店頭に並ぶ事は確実だ(その前に並ぶ可能性も十分あるけど・笑)。なかなかソフトの出ない日本も考え物だけど、3日や15日で出ちゃうってどういう事。この条例、何の為に作ったのだろう? 映画館保護のつもり? 大した効果がないような気がするが。大陸の事情がよく分からないが、配給とソフト発売会社は、それぞれの利益の為に、競い合っているということなのか? どちらも平和共存出来るわけではないのか? しかしこの15日の保留期間に海賊版が売られれば、これはどちらにとっても不利益なのではないか? 何かよく分からない規定だ。