映画産業再び落ち込み、周星馳1人天下

だんだん露出が増える《功夫》3年以上作品を上映していない周星馳チャウ・シンチー)の新作《功夫カンフー・ハッスル)》はもうすぐ公開になる。まだ宣伝活動も盛んではないが、各地の映画祭の反応や、インターネットのトレイラー、さらに周星馳ファンの思いが集まって期待いっぱいといった雰囲気を作り出している。《功夫》はクリスマス公開。他の映画会社は、どこもあえて触れないようにしているため、《功夫》がただひとつの大作で、敵を探すのは難しい。
映画の市場は再び落ち込んでおり、多くの大作の興行成績は満足いくものではない。今年のクリスマスシーズンにはさらに「作品枯れ」の状態が出現している。周星馳が《功夫》はクリスマス公開と宣言してからは、本来は美味しい時期にあたるクリスマス公開を考えていた作品はみな、この時期を避けるとこになってしまった。戲院商會名誉主席・陳榮美は「市場はひどい状態。香港中に映画がない。今年のクリスマスは星仔にあげたようなもの。どうしようもない。いまは映画がない、俳優もいない、監督もいない、それじゃ力の出しようがない」と嘆く。
・星仔:公開時期は考えない
クリスマス前後は、映画界では稼ぎ時と見ている。毎年多くの映画会社が虎視眈々と狙っている。しかし今年のクリスマスは前代未聞の状態だ。《功夫》が約半年前にクリスマス時期の12月23日から上映と宣言して以来いままで、周星馳と「正面対決」をしようという映画会社は現れていない。
西洋映画では、《オーシャンズ・イレブン2》、《Mr.インクレディブル》(たぶん)、《オペラ座の怪人》などの大作があるがいまだ上映日は決まっていない。また劉徳華が馮小剛と初めて組んだ《天下無賊》は、周星馳の《功夫》の最大の強敵と見られているが、いまのところ12月に上映となっているだけだ。
記者は周星馳に電話をし、この事を話すと彼は「知らない。そんなことにはならないだろう? 撮影が長くなってしまって、一度も公開時期の事は考えた事がなかった。いつの時期でもいろいろな種類の映画がいっぱいあるのが望ましいと思っている。市場がよくなれば、みんな嬉しいだろう」とだけ話した。by 2004.10.12「東方日報」

なるほど。このところいまいちヒット作品がないのは確か。成龍の《新警察故事》がいまのところ(10月10日の集計)2000万香港ドルに届きそうだけど、《2046》はまだ500万香港ドル台でほんと散々。他は西洋映画もいまいち。旺角の百老匯にもチケット購入の列は出来ていない(笑)。*1
香港の景気は少し上向きで、雇用もあるし、小売りの売り上げもそんなに悪いわけじゃないから、映画どころじゃないってわけではなく、面白そうと思える映画がないということだ。
劉徳華の《天下無賊》は、実はちょっと心配。それはやっぱり監督・馮小剛。馮小剛のは見てないので、おおきな事は言えないが(公開までには見ます《大腕》と《手機》を)、香港では大陸の監督の映画はヒットしない。馮小剛が大陸でどんなに人気があっても、それは大陸でであって、香港とはやはりテイストが違う。劉徳華が出ているといっても、香港の観客が果たしてそれを受け入れるかどうか。ヒットすれば、それこそ前代未聞なことになるかもしれないが、大陸じゃ大ヒット、香港じゃさっぱりっていう定説どうりにならないように願いたい。
上記の作品以外には、クリスマス時期、たぶん香港では《ハウルの動く城》が公開になると思うが、時期やはり不明。でも周星馳だけということはないわけで、何かあるでしょう。《功夫》に関しては、情報を仕入れないようにしよう。見るまでまっさらでいたい(笑)。

*1:人気を計るのに一番ここが好いと思っている。この映画館はヒットすると見るとさっさと入れ替えたり、時間を変更したりと臨機応変。それにUA時代広場のように西洋映画重視ではない。たった3スクリーンしかないし、どれもキャパ400弱だけど。旺角ではすでに《2046》は変な時間に上映になっている模様。あ、こんなことしてると2回目が見られないかも。