2005年になり、中国映画誕生100年を迎えた。1905年(清光緒31年)秋、北京の豊泰照像館は記録映画《定軍山》を撮影した。これが中国人が自ら撮影した初めての映画だった。無声映画で京劇の名優・譚鑫培主演の《定軍山》の中の「請纓」、「舞刀」「交鋒」などの場面を撮影したものだ。撮影したのは、豊泰照像館の主人・任景豊で、日本で写真の技術を学んできた人物だった。
・武打アクション映画はいまだ注目される
百年前、初めての中国映画は戯曲映画だった。しかしアクションはあっても歌はなかった。そしていままで、中国映画で世界から最も注目されているのはいまだ武打アクションだ。香港では1909年、ロシア人によって撮影され、黎北海、梁少坡が出演した《瓦盆伸冤》と《偸焼鴨》に始まる。北京に遅れ1913年になり、黎氏兄弟(黎民偉*1、黎北海)は《荘子試妻》を撮影した。
今年、北京では百年記念イベントが開催される。香港でも香港電影金像奨協会が主催し、香港電影評論学会が指揮をとって、「中国映画誕生100年・最優秀中国映画100本」投票を行い、金像奨記念書物に掲載する予定だ。同時期開催の「香港国際映画祭」でも百年を記念した催しを行う。
数年前「香港電影評論学会」はすでに『名作200・最優秀中国映画200』という書籍を出版しており、順位を付けず網羅している。現在投票が行われているのは「最優秀中国映画100」。投票者は20本を選び、それぞれに1票を与える、それらを合計して100本を選ぶというものだ。投票数に応じてだいたいの順位が付けられるが、正確な順位は付けるのが難しいが、上位10本は注目される。
私も投票に参加した。とりあえず20本を選んだ。ゲームのようで選ぶのが難しい。もし50本選べるなら、そして100本選べるあらもっといいのだが。以下に列記するのは私が選んだ20本だ。新しいものから古いものへ順番になっている。
- 《功夫(カンフー・ハッスル)》2004 周星馳(チャウ・シンチー) 香港
- 《陽光燦爛的日子(太陽の少年)》1995 姜文(ジアン・ウエン) 大陸
- 《紅番区(レッド・ブロンクス)》1995 唐李禮(スタンリー・トン) 香港
- 《阿飛正傳(欲望の翼)》1991 王家衛(ウォン・カーワイ) 香港
- 《野山》1985 顔學恕 大陸
- 《黄土地(黄色い大地)》1984 陳凱歌(チャン・カイコー) 大陸
- 《省港旗兵(九龍の獅子、クーロンズ・ソルジャー)》1984 麥當雄(ジョニー・マック) 香港
- 《恋恋風塵(恋恋風塵)》 1987 侯孝賢(ホウ・シャオシェン) 台湾
- 《恐怖分子(恐怖分子)》1986 楊徳昌(エドワード・ヤン) 台湾
- 《傾国傾城》1975 李翰祥(リー・ハンシャン) 香港
- 《侠女》1971 胡金銓(キン・フー) 台湾
- 《破暁時分》1968 宋存壽(ソン・ツンショウ) 台湾
- 《五朵金花》1959 王家乙 大陸
- 《梁山伯與祝英台》1955 桑弧・黄沙 大陸
- 《誤佳期》1952 朱石麟 香港
- 《我這一輩子》1949 石揮 大陸
- 《小城之春》1948 費穆 上海
- 《民族的吼聲》1941 湯暁丹 香港
- 《馬路天使》1937 袁牧之 上海
- 《大路》1934 孫瑜 上海
by 2005.1.5「明報」石琪記
古いところはよく分からないが、呉宇森や張徹が入ってない。20本しか選べないのは苦しいだろう。
*1:香港映画の父と言われている。黎姿(ジジ・ライ)は彼の孫にあたる