方平(ヘンリー・フォン/フォン・ペン)

・方平、香港映画の躍進を期待

一年の計は元旦にあり。酉年の始まりには、過ぎた日を振り返り、将来を展望するのに相応しい。ヒット映画のプロデュースをし、事情に明るい映画人・方平(ヘンリー・フォン/フォン・ペン)は、近年映画産業は不景気、将来を考える映画人は段々少なくなり、映画の質が悪くなってしまった。新しい年は香港映画の質に大きな飛躍があることを願っている。
方平は、「近年、出資者は、大キャストにばかり気を取られ、大きく儲けることばかり考えている。そして資金がなければ、出来るだけ早く撮れればいいと思っている。この2つの方法とも映画の質は考えていなかった。おかげで質の悪い映画が多く出来てしまった。観客は自然と映画館に行かなくなった。だから、景気がいいかどうかよりまず、自分を大切にして、質のいい映画を撮ってほしい。」
・よってたかって濫造
方平は言う。冒険心のある出資者は大変に大切だ。多くの出資者は冒険をしたがらない。うまくいきそうな映画の題材があれば、よってかたって撮影する。「かつての英雄モノがそれだ。みんながよってたかって撮る。ギャンブラーモノも同じで、一時期流行ってみんなが撮る、そして濫造。こういうやり方は本当によくない。映画で成功するには、創作とトライすることが最も重要だ。」
また、俳優にも問題があると方平はいう。「映画界は、数人の俳優に頼っている。それは10指で足りる数だ。観客はあっちを見てもこっちを見てもこれらの俳優ばかり。一番いいのは、名が通っていて人気のある俳優と、多くの質の高い俳優が一緒に撮ることだと思っている。このようにすれば、チャンスは生まれてくる。」
現在、方平は映画《早熟》を作っている最中だ。この映画では、曾志偉(エリック・ツァン)、黄秋生(アンソニー・ウォン)など名があり演技に定評のある俳優に、新人・房祖名(ジェシー・チェン)、薛凱琪(フィオナ・シッ)の組み合わせは、新鮮で期待できる。by 2005.2.17「東方日報」紙版のみ

1つが流行ると似たものをつぎつぎと作るのは有る意味香港映画の特徴。中には本作を越えるヒットを飛ばすものもあるけど、柳の下のドジョウもやはり2匹、まあ無理言って3匹ぐらいが限界で、そのあとは、あとになればなるほど目も当てられないものが出現。そして飽きられてきたのは確か。この話しも語られて長いような気がするが、一向に改善されてこなかったってことか。今年への期待は、id:hkcl:20050213#p1と合わせて読むとよい。
ところで、語っている方平ですが、分かりやすいのは《無間道II》で火鍋屋で鍋を囲む大佬の中の1人で丸顔の人。ホテルの部屋で女性にビニール袋を被せられて殺される役。本来はプロデューサーだが、ちょこちょこ映画に顔を出す。妻は俳優の鮑起静、《臥虎蔵龍(グリーン・ディスティニー)》の撮影・鮑徳熹(ピーター・パウ)は彼女の弟。ついでにこの姉弟の父は、俳優の鮑方。
方平は《旺角黒夜》《神経侠侶》のプロデューサーでもある。そしてどちらの映画にも自ら登場してます。このところは爾冬陞(イー・トンシン)との仕事が多い。