邵氏新しい世代を育てる

邵氏(ショウブラザーズ)は養成所の再開と映画への投資を始める言われている。それは現在、経営が難しい映画産業にとっては嬉しいニュースだ。
邵氏公司は香港映画史上、ひとつの重要な位置を占める会社である。しかし70年代に入り生産量が徐々に減り、方向転換をはかりテレビに移行していった。当時の邵氏は、名実どおり大会社で、比較的長期に渡る製作策略を持っていた。従って多くの人材を次々と養成していけた。
70代以降、邵氏の映画人養成は無線電視の経営とテレビ産業に重きがおかれるようになった。しかし当時は麗的(レディフュージョン)、佳視、香港電台電視部なども映画人育成の場であった。
・基礎をしっかりと
スタッフでも俳優でも、70年代、80年代に映画界に入った人々はほとんどがテレビ出身である。当時のテレビはバラエティに富み、様々な種類の番組の要求に応じて、芸能人やスタッフの養成を始めた。またそれは芸能に関する知識を得るだけでなく、実践の機会も多かった。
周潤發(チョウ・ユンファ)、周星馳チャウ・シンチー)、劉徳華アンディ・ラウ)、梁朝偉トニー・レオン)などのスターも、誰もがテレビの端役を演じてきている。
基本が出来ているから、人気の出た後も、長い期間それを維持することが出来ている。一時の人気のあとは、消えてしまうような、現在の芸能人とはまったく違うのだ。
スタッフについていえば、当時はテレビで様々な試みをする機会が多かった。厳密な制度と限りある資源のもとで、テレビドラマは個性がなくなっていき、テレビ出身の映画人はどんどん少なくなっていった。
90年代の中頃になり、跡継ぎのいない状況が徐々に現れてきた。映画出身の人材は、テレビの様な研鑽をつむことがなく、基本的な技術にも問題が生じるようになっていた。
現在も残る香港電台が作るテレビ番組は、本来は映画人育成の訓練基地であるが、様々な問題がその機能を妨げている。
邵氏と無線が手を取れば、難問である跡継ぎ問題を解決出来る可能性がある。事実上、現在の映画界の精鋭たちの大部分は、この両者の出身である。
有線電視の徐小明が、ピンチにはチャンスがあるというように、現在映画界が落ち込んでいる時だからこそ、これが最もよい時期になる可能性がある。by 2005.2.21「明報」郭繾澂 記

ようやく皆が重い腰を上げているようだ。スターは養えばいいというわけでもないだろうが、ダイヤも磨かなければ輝かないのだから、原石をどんどん研磨して、キラキラと輝かして欲しい。映画製作については、邵氏、少し前から撮影を開始すると言われていたと思うし、実際に03年の《酔馬騮》は邵氏の作品だったと思うのだが、その後はさっぱり撮影の話を聞いていないような気がする。《酔馬騮》のような古色蒼然とした作品を撮るつもりではないと思うが、いったいどんなものを作ろうとしているのか。