緑草地(モンゴリアン・ピンポン)

寧浩(ニン・ハオ):監督


内モンゴルが舞台。天安門広場で写真を撮るカップル。顔は浅黒く脂肪のよくついた体つき。今度は家族みんなを呼んで記念撮影だ。撮影が終わるとおもむろにセーターの上に羽織るのは、綿入れ状のモンゴルの衣装。カメラがぐうっと引くと、いままで天安門前だとおもっていたのは、写真の背景用の幕。後ろに広がるのは草原、ここはモンゴルだった。
というオープニングからなにやら面白そうな雰囲気がいっぱい。会場もすでに笑いいっぱい。子供が水をくみに川に行くと、なにやら白いボールがぶかぶかと浮いている。持ってかえって、みんなにこれは何を聞くが誰も分からない。このボールをめぐって、くりひろげられる子供達の勘違いや、冒険、言い争いをユーモアいっぱいに描く。子供はこのボールの正体を知ることが出来るのか・・・。
美しいモンゴルの風景、素朴な子供達、それを見るだけでも心が洗われる。近代化など知らない事の方がずっと幸せかもしれない。知ってしまった私たちは、それを羨ましく思うことしか出来ない。
2005.03.30@HKIFF


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