頭文字D

周杰倫ジェイ・チョウ)、陳冠希エジソン・チャン)、鈴木杏余文樂ショーン・ユー)、黄秋生(アンソニー・ウォン)、鍾鎭濤(ケニー・ビー)、杜[シ文]澤(チャップマン・トー)、陳小春(チャン・シウチョン) 劉偉強(アンドリュー・ラウ)・麥兆輝(アラン・マック):監督


秋名山(榛名山)を舞台に繰り広げられる公道レース。有名人気漫画の実写版映画化で、普段は映画館へ行かない車好き、ゲーム好きを巻き込んだか?
車のことはよく分からない奴(つまり私)でも楽しめるのかが個人的には問題であった。結果、おもしろがり方は違うのだろうが、問題なく楽しめた。
これが映画初出演の周杰倫、それなりに演技はしているのだが、大袈裟にする必要はない役。キャラクター的に強固な意志のあまり見えない役ゆえ、ぼうっとしていて十分にはまっているし、それで十分。自ら吹き替えたという広東語の多少の不明晰さも、そのぼおっとしたキャラが幸いして違和感はほとんどない。
彼を引き立てるのがやはり父役の黄秋生。演技ばりばりの黄秋生とぼっとした周杰倫の対比が見事にいきている。そしてもう一人の父役・鍾鎭濤もいいキャラクターだ。
なんやかやいってこれまで積み上げてきたものを感じさせるのが陳冠希。みなは《無間道II》をあげるだろうが、私は《無間道II》を経たあとの《A-1頭條》にも彼の成長を感じるし、この映画でよりはっきりとこれまでの成果が見られる。舞台上のでれっとして口が半開きの陳冠希とは大違い。理性さえ感じさせるのに驚く。
余文樂は、意外に映画の中では影が薄いかもしれないが難無く演じている。さて小春はというと、出番が少ない、台詞が少ないといわれているが、それは脚本の問題でしょうがない。その衣装と存在で十分印象には残るのでよしとすべし。杜汶澤は相変わらず道化役だが、そろそろ大袈裟演技に飽きがきている。
鈴木杏、他に誰がといわれても思い浮かばないので、いいのではないか。
一人の青年が自我に目覚めるという青春映画として、とてもうまく出来ている。最後のレースの部分は分からないなりに興奮するのだから、これが分かったらさらに大興奮なのでは。
笑う場面も多く、肩ひじ張る必要はないし、娯楽映画としては十分に楽しい。
2005.6.26@JP銅鑼湾(スクリーンの大きいところで見た)


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