七剣(セブンソード)

《七剣》ポスター黎明(レオン・ライ)、楊采妮(チャーリー・ヤン)、劉家良(ラウ・ガーリョン)、甄子丹(ドニー・イェン)、陸毅(ルー・イー)、戴立吾(ダイ・リーウー)*1、周群達(Duncan)*2、孫紅蕾(スン・ホンレイ*3、金素妍(キム・ソヨン)、張静初(チャン・ジンチュー)*4、王敏徳(マイケル・ウォン) 
劉家良:動作指導 
徐克(ツイ・ハーク):監督

原作=「七剣下天山」梁羽生:著
配役
 黎明=楊雲聰(青干剣)
 楊采妮=武元英(天瀑剣)
 劉家良=傅青主(莫問剣)
 甄子丹=楚昭南(龍剣)
 陸毅=韓志邦(舍神剣)
 戴立吾=辛龍子(兢星剣)
 周群達=穆郎(日月剣)
 孫紅蕾=風火連城
 金素妍=緑珠
 張静初=劉郁芳

時の朝廷は、民に武術を禁じていた。朝廷の命を受けた風火蓮城の手下は、武術を使うものを捕らえ殺し、金銭に替えていた。そんな風火蓮城に立ち向かった1人の男がいた。男は傷を負いながらも逃げる途中、ある女(楊采妮)を助けた。女は傷を負った男を村に連れ帰る。しかし男(劉家良)は村の者から敵と思われていた。女は傷を負った男をつれて逃げることにした。そして男の言葉に従い、村を救ってくれるという人物を捜して天山を目指した。
原作を読んでいないので、どの程度小説に忠実なのか不明だが、最初なので、話を追うのに少し一生懸命になってしまったこともあるが、画面の密度が濃かったので、退屈することなく見ることが出来たし、153分という長さを感じなかった。途中、話が飛ぶ場面もあるが、画面を見ていればあまり気にならなかった。
風火蓮城の手下の人物造型は、キッスばりのメイクでコミック的だが、映画が始まると同時に彼等が現われる場面は、画面がモノトーンに近く、かっこいい。このトーンで全体通すのかと思ったが、そうでもなく、途中から黄色勝ちの画面になる。そのあたりの色の統一感はいまひとつ。また夜の場面では、全体に光と影を強調していたので、人物の顔をなかなかはっきり見せてくれないので少し欲求不満になる。殺りく場面がかなり残酷なので、不快に感じる人があるかもしれない。
七剣というだけあって、主役は7人いるのだが、それぞれに一応見せ場を作ってある。特に甄子丹には硬軟取り混ぜて見せ場がある。金素妍との色っぽい場面には、「まあドニーさ〜ん」とこちらが恥ずかしくなってしまう。そしてなんとハングル話を話す(本人の声だと思います)。しかし見せ場のアクションは一手に引き受け、ワイヤーで吊りすぎではあるが、孫紅蕾のスタントの熊欣欣(ション・シンシン/ホン・ヤンヤン)との狭い場所での戦いは、まんま《黄飛黄之二(ワンス・アポンナ・タイム・イン・チャイナ2)》の李連杰ジェット・リー)と甄子丹。懐かしくもあり、《黄飛黄》《刀(ブレード)》に続く位置にあるのがこの映画なのだと、はっきり分かる場面だ。
その孫紅蕾の人物造型もかなり怪演の部類で、見終わったあと妙に心に残ってしまう。黎明は意外にも心に残らず、唯一、楊采[女尼]に剣の扱いを伝授する場面で、黎明のかたそうな身体の動きにひやひやするぐらい。楊采[女尼]は、顔はすすだらけ、泥水に漬かるわの頑張り。陸毅に思いを寄せる張静初が印象に残る。若者2人は、なかなか顔がアップにならずちょっと残念。そして劉家良、もう前半部分は、シーフーが主役です。ほとんど笑う場面のない映画だが、唯一観客が笑ったのは、王敏徳の登場。西洋人顔に偉い人のかぶりもの、広東語版は本人の声なので、英語なまりにあの高い声で話すので滑稽。
途中、音の悪い部分があり、劇場の問題なのか、フィルムの問題なのか不明。わたしは面白かったし、もう1度見たいが(国語版も見たい)、香港人がどう見るかは未知。続きを作りそうな終わり方だった。まずはこんなところが初見の感想。
2005.7.29@旺角百老匯


■□05年に見た映画の一覧□■

*1:戴立吾→台湾の新人。国劇(京劇)の立ち回り役出身。《七剣》が初めての映画。

*2:Duncan→《17歳的天空(フォーミュラ17)》の白鉄男役。

*3:孫紅蕾→《周漁的車(たまゆらの女)》では獣医役。ココ参照。

*4:張静初→ココ参照。