爾冬陞(イー・トンシン)

爾冬陞(イー・トンシン):《新宿事件》は《不夜城》を思い起こさせる

《千杯不酔》について爾冬陞はこの映画は初めてある時期にあわせて撮った映画だという。
《千杯不酔》で爾冬陞は初めて喜劇風の作品を撮った。この映画は、映画ファンには爾冬陞の小品と思われている。爾冬陞は、今回の試みでは、資金の回収を考えたが、準備に長い時間をかけている新作《新宿事件》は、彼が多くの年月と心血を注いで撮る作品だという。
新京報:《千杯不酔》は小品、純粋な商業映画だと思われていますね。
爾冬陞:今回の題材は芸術的ではありません。今回は初めて、あるほとつの時期にあわせて撮影しました。これは以前は考えられないことでしたし、今回は自分の会社が出資しているので、資金の回収を考えなくてはなりませんでした。題材、パッケージング、上映時期の調節などすべて、商業活動のひとつです。
新京報呉彦祖ダニエル・ウー)と楊千嬅(ミリアム・ヨン)はどういう理由で選んだのですか?
爾冬陞:それは以前、彼らが共演した映画がヒットしたからという重要な理由からです。楊千[女華]の親しみやすさと呉彦祖のいろいろな役ができるところは、僕に大きな自信を与えてくれました。
さらに僕の友人でもある方中信(アレックス・フォン)には、この映画でまったく違う役をやってもらっています。初めて、とぼけた喜劇的な役です。彼は僕が方中信のイメージを壊したと言っていますが、僕は方中信に新しい道を作ってやったと思っていますよ。
新京報:来年3月に撮影する《新宿事件》では成龍ジャッキー・チェン)を使うということですが、彼の演技に心配はありませんか?
爾冬陞:《新宿事件》は、僕が10年近く準備している映画です。すでに1つ犯罪映画が撮られていますが、《新宿事件》には、かなりいれこんでいるので、一生懸命に準備していますよ。新宿は中国人が作りあげてきて、そこにはたくさんの移民が住んでいます。僕はつねに写実的なものが好きなので、1990年頃から新聞記事を気にかけ、その後、日本へ行き大量の資料を集めました。成龍については、20年前なら、観客はアクションのない彼の演技は受け付けなかっただろうと思っています。《新宿事件》では、アクションもありますが、それは警察と日本の賊との本物の争いです。いま成龍は、成熟して、時期がやってきたと思っています。
新京報:《不夜城》を思い浮かべるのですが。
爾冬陞:そのとおり。そういう感覚です。しかし《不夜城》は、日本人の書いた小説を映画化したもので、中国人の生活の中にまで深く入り込むことはありませんでした。《新宿事件》は、事実に基づく事件を改編したもので、映画には香港、大陸、日本の俳優に出演してもらいます。by 2005.8.13「大河網」元は「新京報

だんだん《新宿事件》の中身が分かってくるようだ。成龍の演技は写実からは遠いところにいるから、成龍の文戲(アクションではない演技)が心配では、と聞く記者の気持ちはよくわかる。爾冬陞も大胆な起用だ。それにしても、旺角に続いて、猥雑な繁華街の新宿を爾冬陞がどう撮るのか楽しみだ。いま黎明(レオン・ライ)で撮っている劉偉強(アンドリュー・ラウ)とはまったく違った新宿が描かれるのだろう。


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