椰林月

《椰林月》謝賢、南紅、嘉玲、姜中平 
秦剣・楚原:監督 1957年 モノクロ


岳鳴(謝賢)がシンガポールの学校にやってくる。「7年前ある事情があってシンガポールを離れ、教育からも遠ざかっていたが、これからは二度と学校を離れることはない」と生徒たちに向かって話すところから話は始まる。
7年前、シンガポールに住む華僑の教育に情熱を傾ける程子和(姜中平)と淑荷(嘉玲)兄妹の元に、岳鳴は希望に満ちてやってきた。校舎建設費用を寄付してもらうと、岳鳴らがシンガポール一の成功者(ゴム農園経営)の元を訪ねると、娘の梁采蓮(南紅)が快く応じてくれた。采蓮はひとめ会ったときから岳鳴に好意を感じていた。
一代で事業を起こし大きくした父は、采蓮の婿には、会社をついでくれる人物をと考えていたため、岳鳴が采蓮と結婚する条件に、校舎建設費用は出すが、その後は自分の会社を継いで欲しいと話す。承知する岳鳴だが、商売のことはまったく分からず、学校への思いが日増しに強く感じられるようになっていった。会社をおざなりにし、父からの信頼をなくした岳鳴は、ゴム農園の管理に左遷される。しかしここでも無為の日々を送る岳鳴は、ついには妻・采蓮からも信頼を得られなくなっていった・・・。
南洋三部作といわれるものの最後の作品。途中、お金持ちのお嬢様・采蓮が岳鳴を連れて、マレーシア案内するシーンあり、まさに名所めぐり。
2006.4.14@香港電影資料館「光藝的都市風華」


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