ここ半年の香港映画

2006年もすでに半分。香港映画は低迷が続いている。5か月少しの香港映画を見ると、まったく楽観はできない。経済回復には比例していないようだ。しかし昨年の同時期に比べひどくなっていないのが幸いだ。
今年、今までに20数本の香港映画が上映された。昨年の同時期とほぼ同じ。犬年旧正月映画の興行成績は昨年よりよかった。《霍元甲(SPIRIT)》は最も稼いで3000万香港ドル、《春田花花同學會》と《最愛女人購物狂》は各1000万香港ドル前後。05年の旧正月映画は《喜馬拉亞星》だけが1500万香港ドル、《韓城攻略》はわずか700万香港ドルだった。
年を跨いで上映された《情義我心知》は900万香港ドル。その後数か月の香港映画で最も成績のよかったのは《黒社会以和為貴》1300万香港ドル。《天生一對》1000万香港ドル、《至尊無頼》800万香港ドル、《犀照》800万香港ドル、《獨家試愛》700万香港ドルと少しで、どれも客を呼び込む力があったといえるだろう。
それ以外に上映された香港映画は《半酔人間》《野蛮秘笈》《得[門月]飲茶》《打雀英雄伝》《伊沙貝拉》《四大天王》《鬼眼形警》《左麟右李我愛醫家人》などがある。劉偉強監督の韓国映画《雛菊(デイジー)》、香港、日本、タイのオムニバス《黒夜》もある。
またいくつかの香港映画はひっそりと上映されており*1、知っている人は少ない。たとえば呉鎮宇(ン・ジャンユー)主演《血戦到底》、葛民輝(エリック・コット)と盧巧音(キャンディ・ロー)主演《半邊霊》、見たくても上映館を探すのが大変だ。見ていないものは他に《地老天荒》《反斗狂奔》《超級寶寶》《終極忍者》などだ。
合計で20数本、注意を惹くのは数える程だが、西洋映画と争えるものも幾つかあるのが幸いだ。by 2006.6.9「明報」石琪 記

昨日の「蘋果日報」には5月の香港映画は散々という記事があった。5月は《M:I:3》《ダ・ヴィンチ・コード》など西洋映画が大作だったため、香港映画が隅に押しやられたていた。5月、最も稼いだ香港映画は方さんの映画だったらしい。

下から4つはすべて公開館が極端に少ない。たしか《終極忍者》と《反斗狂奔》は元朗、《血戦到底》は旺角の豪華だけ、《半邊霊》は華懋だけの上映だったと思う。割を食ったというより、この時期にはそういう映画をかけておこうということのような気がする。

*1:ひっそりと香港の片隅で公開される映画を「辺境映画」と勝手に命名