畫外音:與譚家明對談

左から何思頴、譚家明、羅卞
出席:譚家明(パトリック・タム)、羅卞(ロー・カー)、何思頴(サム・ホー)
《父子》の公開に関連して香港電影資料館で開催。(以下ねたばれを含む可能性あり)
まずは、譚家明の第1作目の《名剣》の特徴的なカットを紹介し、何思頴が解説。始まりの部分、長まわしの部分、最後など。その後、《父子》のメイキング映像。この日、機械の調子が悪く、《父子》のメイキングは本来20分ぐらいのものが10分ほどしか流せなかった。監督、たいへん早口なので書き取れず。印象に残った言葉の断片を並べておく。

  • 母親の楊采妮(チャーリー・ヤン)は、子供に対してもクール。従って子供を置いて家を出てしまう。最初の子供と楊采妮の場面では、楊采妮は子供と目をあわそうとしない。そのことですでに子供を棄てようとしていることを表現している。子供とハグする場面など、撮ってはいたが全部カットしたのもそのため。
  • 最後、赤ん坊にミルクをやる楊采妮は、よく見るとわかるが、彼女の顔には笑顔がなく哀し気。はたして彼女は幸せななのか分らない。
  • 郭富城(アーロン・クォック)が2役なのは、好きになる人物というのは、やはりある一定の類型があるものだし、新しい彼氏にも何か郭富城のイメージがあるだろうと思から。もし郭富城がごく普通に働く、新しい夫のような人だったら、楊采[女尼]はこうやって夫から逃げるように出てくることもなったのに、という思いもある。だから郭富城に2役してもらった。
  • 室内のセットなどは特別に作ってはいない。ごく普通のマレーシアの住宅を使い、家具なども安いもの。配置を少し変えたりはしたが、ほとんどいじっていない。
  • この物語はマレーシアで無ければ成立しない。マレーシアの田舎では、夜にだれも鍵をかけたりしない。だから、簡単に盗みに入れる。香港では成立しない物語りだ(香港で撮ったらどうなるだろうか?という質問に対しての答え)。
  • 子供に耳をかじられるシーンは、時間順に撮ってあったが、それではインパクトが弱いと思い、郭富城の回想の中で語るようにした。
  • 自殺しようとする場面、結局彼は自殺することも出来ないヤツなのだ。

あとは思い出したら書き加える予定。