跟蹤(天使の眼、野獣の街)(アイ・イン・ザ・スカイ)

《跟蹤》舞台挨拶任達華(サイモン・ヤム)、粱家輝(レオン・カーファイ)、徐子珊(ケイト・チョイ)、邵美琪(マギー・シュウ)、林雪(ラム・シュ)、呉廷燁(ン・ティンイップ)、黎耀祥(ライ・イウチョン)、張兆輝(チョン・シウファイ) 
游乃海(ヤウ・ナイホイ):監督


ひとりの男がトラムに乗り込み女性のとなりに座る、女性は何か意味ありげに、反対側の席の端で居眠りする男の姿を盗み見ている。寝ていた男は慌てて席を立とうとして手にしていた新聞を床に落とす。しばらくすると居眠りしていた男も、先ほどのりこんで来た男もトラムを降りた。女性もトラムを降りたが、女性は居眠りしていた男を尾行していく。
しばらく尾行していくと、男が店に入った。女性も続いて店に入り席についた。女性の姿を見た男は、女性の席に行き言う「あ、猪女だよね、久しぶり」。「はあ?人違いでは?」「猪女でしょう」「違いますよ」「本当に?」「ええ」「じゃあ、なんで俺を付けているんだ」「え?付けてませんよ。思い違いですよ」・・・。
男(任達華)は警察の尾行隊、女性(徐子珊)は、尾行隊入隊の試験を受けていたのだった。
宝石店強盗が発生した。店内に仕掛けられたカメラから犯人の顔は分かるが身分が分からない。附近のカメラで撮影した画像から疑わしい人物がコンビニで八達通を使ったのを手掛かりに、男の行動範囲を推定した。尾行隊は、新人の猪猪(徐子珊)を連れ張り込みに出かけた・・・。


杜琪峰(ジョニー・トー)っぽいところもあるが、老練した杜琪峰に比べると、音楽も相まって全体に若々しいリズムが感じられる。英語題の「Eye In The Sky」からも分かるように、上からのショットが多様されており、これも画面にリズムを与えることになっている。だた話しの持っていき方(カット割り)で、ここはなくてもいいのにと思うところがあったのがちょっと残念なのと、追いかける、追われる、気づかれたかどうか、という心理的な緊張感が少し足りないように感じた(具体的に言うとねたばれになるので)。しかし初監督作品にしては上出来ではないか。私は面白く見た。そして、杜琪峰とは違って女性が描ける。徐子珊も邵美琪もいい。


出演者は上記以外に杜組が数人登場。ロケはもっぱら上環、中環、それと少し前に散歩していた筲箕灣の船廠が使われていて驚いた。
2007.3.19@香港国際電影節(会展)


ワールドプレミアで、出演の任達華、徐子珊(映画の方が幼く見える)、邵美琪(今日の衣装はすごい。足が細くて折れそう)、林雪、監督、プロデューサーの杜琪峰、驕陽電影の徐小明以外に、劉青雲ラウ・チンワン)&妻、張家輝(ニック・チョン)、林家棟(ラム・ガートン)などが映画を見ていった。林雪と徐子珊は最後まで見ていて、映画が終わると大きな拍手がおこり、拍手に応えて立ち上がって手を振っていた。


■□07年に見た映画一覧□■


《跟蹤》のロケ地についてはココに。
今日から映画祭なので、しばらくアップが不規則になるかも。