刺青(Tatto−刺青)

《刺青》梁洛施(イザベラ・リョン)、楊丞琳(レイニー・ヤン)、沈建宏 
周美玲(ゼロ・チョウ):監督


刺青師・竹子(梁洛施)、記憶が不確かな竹子の弟、竹子の客・阿東、ネットアイドル・小緑(楊丞琳)、小緑に夢中になるオタク気味な警官。
9歳の記憶をとどめておきたいと刺青をいれようとする小緑、弟の記憶を取り戻そうと刺青を入れる竹子。足りないものを補うための刺青、無くなってしまったものを取りもどすための刺青。刺青は体に記録を刻む行為だ。


梁洛施と楊丞琳、キャスティングの勝利かもしれない。楊丞琳の存在(映画の中も実際も)は、かなり日本っぽく、刺青師が日本人(という役)で日本語を話していたり、竹子の母は日本人だったり(竹子という名はあんまりだ)と、日本の影が見え隠れするのも興味深い。そしてやはり地震がストーリーの鍵になっている。
梁洛施、楊丞琳も表現は比較的抑えぎみ。特に梁洛施は眼鏡をかけたこともあり、前作とまったく違うイメージをつくっていた。楊丞琳が時々、周迅(ジョウ・シュン)に見え、梁洛施は時々、常盤貴子に見える。
全体は、なかなかおもしろく(ファンタジーでもあり、漫画的でもあり、不思議な雰囲気もあり)、日本でもいけそうだが、1か所ひっかかるかも? 撮影時は、もっぱら同性愛が取りざたされていたが、映画全体を見渡すと、同性愛がテーマなのではなく、映画の要素のひとつにすぎない。
2007.3.27@香港国際電影節(科学館)


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