性工作者十日談

《性工作者十日談》舞台挨拶朱茵(アテナ・チュウ)、余安安(キャンディス・ユー)、蒋雅文(マンディ・チョン)、董敏莉(モニー・トン)、李逸朗(ドン・リー)、鄧健泓(パトリック・タン)、呉日言(ヤン・ン) 
邱禮濤(ハーマン・ヤウ):監督


「性工作者」とはセックス産業に関わる人たちのことさす。映画は、あるクラブを舞台にさまざまな理由から、セックス産業で働く人たちを描く。
クラブのママ(余安安)、子供を母親に預けて働くチーママ・家家(朱茵)、彼氏に黙ってクラブで働くNana(蒋雅文)、Nanaの姉(董敏莉)、クラブに来ては女性たちをなぶり、ストレスを発散するホスト(鄧健泓)、女性に性転換した同性愛者(李逸朗)、性工作者の権利を主張するソシアルワーカー(呉日言)らが出演者。


さすが職人邱禮濤。事実をふまえながら物語を構築し、鑑賞に堪える「映画」に仕上げている(同じ日に見た《明明》とは大違い)。ただし台詞に俗語が多く、すぐには理解できない部分もある。
脚本は、《給他們一個機会》や《等候董建華發落》でも脚本を担当している楊漪珊と邱禮濤の共同執筆。この映画の元になったのは、楊漪珊の著書「古老生意新専業」で、日本では小学館文庫から「香港性工作者」(ISBN:4094027866)の題名で翻訳出版されているものだと思う(手元に本がないので、全部翻訳されているのかは不明)。


上映後のQ&Aで朱茵に「あなたはキリスト教徒として知られているが、こういう役をするのに矛盾はなかったのか?」と聞いた人あり、朱茵は「映画の中の役は役であって、朱茵(本当の自分)ではないので、特に矛盾はない。映画で殺人を犯したからといって、犯罪者になるわけではないし」と答えていた。また「呉日言の役はわざと、小難しい言葉で話すようにしたのか」という質問に監督は、「わざとおおげさにしているが、法令にしても実態とそぐわないことが多いということを示したかった」。その他、観客からは「リアルですばらしい」「性工作者の実態を知ることができて良かった」などと賞賛された。
写真は左から邱禮濤、朱茵、余安安、蒋雅文、董敏莉、李逸朗、呉日言、鄧健泓、大陸の女優(名前分からず)。
2007.3.28@香港国際電影節(香港文化中心)


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