野。良犬

《野。良犬》舞台挨拶陳奕迅(イーソン・チャン)、林苑(ジア・リン)、文俊輝、曾志偉(エリック・ツァン)、林子祥(ジョージ・ラム)、林志輝、邵音音 
郭子健(デレク・クォック):監督


親兄弟もおらず、叉哥(曾志偉)に拾ってもらい、銃の扱いを教わり黒社会にも入れてもらった堆(陳奕迅)は、叉哥の命令である小学生を誘拐すべく、小学校に雑用係として潜り込んだ。そこで、おばあちゃん(邵音音)と2人で暮らしでまったく話しをしない自閉気味な少年・林志宏(文俊輝)と小学校の新任教師Miss張(林苑)に出会った。志宏は堆を慕い、閉ざした心を少しづつ開いていく。孤独だった堆は、Miss張にひかれるものを感じるとともに、自分と似た境遇の志宏にも共感を覚えていくのだが・・・。


タイトルから想像していた内容とはまったく違っていた。いい意味で裏切られた。監督はかなりなロマンティストと見た。けれんもあるし、ロマンティシズムもあるし、カメラアングルも少しやりすぎななところもあるが、内容はまとまっており、良かった。陳奕迅を選んだのは正解だし、これも子役がいい、そしておばあちゃん役の邵音音(邵氏映画で有名)がとてもいい。陳奕迅と子供のシーンでいいシーンが多い。子供は口をきかない(きけないのではなく、きかない)ので、おのずと子役は態度と表情で感情を表すことになる。特に陳奕迅に対して親密感を表す態度がいい。2人が仲良くなっていく過程がよくわかる。
また、暗い夜のシーンや雨のシーンが多いのだが、柯星沛 (オー・シンプイ)のカメラは、けして真っ黒ではなく、ディテールの見える闇をつくりだしていて、綺麗で雰囲気がある。少々アングルで凝り過ぎなところもあるが、まあ許してしまおう。


今日は仕事が忙しく、15分以上遅れて会場に到着したが、幸い上映も遅れていて、舞台挨拶も見られた。しかし席が前から3列目だったため、画面全体を見るのが大変。いい状態でもう1度見たい。
写真は左から監督の郭子健、プロデューサーのテディ・ロビン、陳奕迅、子役、林苑、林子祥、邵音音(一番右の俳優は名前分からず)。映画のロケ地についてはココを参照。
2007.3.29@香港国際電影節(香港文化中心)


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