危険人物

《危険人物》余文樂ショーン・ユー)、李燦森サム・リー)、董敏莉(モニー・トン)、湯鎮業(ケン・トン)、呉毅将(ベン・ン) 
鍾少雄(ビリー・チョン):監督


長年の臥底生活を終え警察に戻った鋒(余文樂)は、さまざまなものを失っていた。ヤクザになったと思い込んだ父、彼女(董敏莉)、信頼、信用、仕事へのやる気、そして自分の居所。隠し持つヘロインを吸って自らを紛らわしている。臥底生活で知り合ったヤクザな友人(李燦森)と車中でヘロイン吸引したところを、警察官に職務質問にあう。逃げようとし、李燦森が警官を殺害してしまう。乗っていた車を燃やし、李燦森を逃がしてやろうと思うが、警察官に戻った余文樂が自分を売るのではとおびえる李燦森は、潜伏してしまう。李燦森の居所を探ろうと動き回ると、どうしても元のボスやヤクザたちと顔を会わすことになり・・・。


またも臥底だが、ストーリーは、男2人の友情ものと見るのが正しいのだろう(最後になってやっと分かる)。余文樂は相変わらず蔭のある役だが、最近見たなかでは、一番いい顔だった。余文樂の顔を少し下からあおって撮ると、とてもふてぶてしい顔になるのだが、その顔がどうも嫌い。今回はその表情がほどんとなかった。
夜のシーンが多いのと、日中の風景も極端に青とセピアを強くし、さび色の画面にしている。映画全体も沈んだ重苦しいトーン。鍾少雄と余文樂は、映画《黒白戦場》、ドラマ《浴火鳳凰》で組んでいる。映画全体の雰囲気は《黒白戦場》に近い。
プロデューサーは劉偉強(アンドリュー・ラウ)。英語の字幕がついていた(中文字幕はなし)。
2007.3.31@香港国際電影節(大会堂)

4月1日の各紙をみたら、この映画は高清(ハイビジョン)撮影とのこと。色付け過ぎは、そのためか。


■□07年に見た映画一覧□■