人在江湖

左から監督、張達明、蒋雅文張智霖(チョン・チーラム)、張達明(チョン・ダッミン)、蒋雅文(マンディ・チョン)、尹馨(アイヴィー・イー) 
邱禮濤(ハーマン・ヤウ):監督


殺し屋の阿七(張智霖)がムショから出てきた。阿七が帰ってくれば、街は平和になるといわれるほど凄腕の殺し屋だ。しかしトラブル発生、台湾へ逃亡することに。阿七は檳ろう売り(尹馨)と懇ろに、さらにその檳ろう売りに入れあげる男(張達明)は、古い知り合いなのだが・・・。


渡世(江湖)に生きる男の孤独、刹那的な生き様をかなり暴力的に描いていく。なんせIII級なので、エロ少し、グロもかなり。張智霖の顔は、本心が見えず、信用できなそうな男の顔だし、無精髭やサングラスなど小道具も効いて、ハードは感じで、なかなかよい。張達明の役は、お笑いはないが、滑稽なところがあり、杜汶澤(チャップマン・トー)あたりもやりそうな感じで、血みどろになって演じている。
面白いことにこの映画には警官がまったく登場しない。上映後のQ&Aでも、架空の世界だからと言っていた。また現実が正常な世界だとすれば、映画の中の世界は異常な世界なので、台湾のヤクザの側にいるのは、セクシーな美女ではなく、子供だったりと、正常ではないことが起こるとも話していた。映画の好き嫌いは別にして、架空の世界はしっかり描かれている。
《人在江湖》と聞けば、当然《古惑仔》なわけだが、当初は仮タイトルで、付け替えるつもりだったが、《古惑仔》は大ヒットした作品なので、その作品にあやかってこの題になったそうだ。
昨日の《危険人物》と同じ、劉偉強(アンドリュー・ラウ)プロデュースで、同じくハイビジョンで撮影している。今回はフィルム撮りではないのがはっきり分かった。フィルムだったら、もっと雰囲気が出て、もっとハードボイルドになるのにと思って見ていた。
2007.4.1@香港国際電影節(大会堂)


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