明月刀雪夜殲仇

《明月刀雪夜殲仇》狄龍、劉永、施思、羅烈 
楚原:監督 1977年 邵氏 DVD


黒い服を纏った男が凍てつく川、雪の原を歩いてゆく。背景に争いの場面がインサートされる。ひげ面の黒い服の男・傳紅雪(狄龍)は1軒の酒楼に入る。傳紅雪は酒は飲まないと話す。周囲の男たちから、「ここはヤギの来るところではない。ヤギは外でつながれていればいい」と因縁を付ける。するとそこへもう1人の男・葉開(劉永)がヤギを連れて入ってきて、ヤギに酒を飲まし、ヤギを相手に話しをする。それを見たくだんの男たちは、葉開に喧嘩を売るが、葉開は俺はヤギの言葉で話している。ヤギの言葉がわかるのとは、お前らもヤギかとやり返し、手を上げた相手をくごとことやっつけてしまう。葉開は傳紅雪に酒をおごろうとするが、傳紅雪は、葉開の酒代を支払って店を出て行った。
夜、傳紅雪が宿を取ろうとすると呼び止められ、萬馬堂の当主が屋敷に招待したいと言っていると告げられる。萬馬堂の当主は傳紅雪だけでなく、葉開も招いており、全部で7人の侠客を屋敷に呼び寄せた。当主は、かつて殺した神刀堂の生き残りが復讐を企てている、それが誰か探って欲しいと7人に話す。実は萬馬堂の当主が恐れていたのは、もう一つの復讐。かつて殺害した白大侠の息子が、父の死の20年後の命日に仇を伐ちにやってくることになっていたのだ・・・。


導入からとても面白い。クールな狄龍と明朗な劉永を主人公に、様々な敵を登場させ、復讐劇と謎解きが渾然となって、変化に富んで話しはロールプレイングゲームのごとく場所を移しながら、いろいろな敵を倒し、どんどん進んで行く。髭を蓄えた狄龍のストイックさもいいし(滑稽なぐらいのクールさ)、劉永との台詞のやりとりも面白い。2人を殺して金子を貰おうという羅烈は、なんと路上に風呂桶を運んできて、裸で風呂に入るというすごいパフォーマンスで登場する。最後も羅烈の尻のアップという、これまた大笑いな終わり方。いや、楽しい楽しい。物語は、古龍の小説「邊城浪子」を原作としている。


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