朗報!広東省、香港映画開放

広東省の人々は今年から香港の観客と同時に香港映画を鑑賞できるようになるようだ。広東省文化庁の関係者は先日、珠三角城市地区電影発展工作会議で、国家広電総局はすでに、広東省が自らが選択して香港映画の広東語版を広東省内で上映する件について許可しており、なおかつ輸入枠数に縛られることはないと語った。内容から判断すると、中国全土で上映される作品よりより新しく、さらに広東語地区観客の文化習慣により適応した作品を上映できることになる。


広東省電影公司広州市電影公司、深圳市発行放映中心が香港が推薦する映画の中から広東人の好みにあうものを選び、中影集団進出口公司が広電影総局へ送り審査し、広東省内の上映権を得るという流れになる。さらに進んで上映される香港映画の数は、輸入枠に縛られない。今年3月広東地区で上映された香港映画《四大天王》こそが、国家広電総局が広東地区に香港映画を開放した最初の香港映画だった。


広東省文化庁の関係者は、広東人が香港映画を楽しめるだけでなく、香港映画産業復興の一助になると話している。「広東と香港は本来同じ言葉を話し同じ気質を持っている。香港映画の広東語版には言葉の面白さがあり、それは同じ広東語を話す広東人にも理解できる。多くの香港映画が広東で上映されることになれば、香港映画の復興にもすくなからず力になるだろう」。2007.7.30「文匯報」要約

これを受けて

  • 呉思遠(ン・シーユン)香港電影工作者総会主席
    • 香港映画の収益に大いに助けになる。広東省だけで1本の映画について数百万の収入増が見込める。「香港映画人にとってはよい事だ」。


  • 馬楚成(ジングル・マー)監督
    • 広東の多くの観客は俳優たちが自ら話す広東語を聞くのが好きで、吹き替えは好きではない。新しい政策では彼らはオリジナル香港映画を見られる。全国各地には文化的な差異があるので、全土で広東語版を上映することは難しいだろう。しかし広東省が自主権を持つことは華南の観客をひきつけることになり、興行収入の助けになるだろう。審査の方もさらに開放して、監督の創作の場も広がるといい。


  • 田啓文(ティン・カイマン)コメディ映画製作
    • 香港映画は2つに断絶されている。中型の映画には誰も投資してくれない。マーケットには大作と小作(制作費の少ない映画)しかない。華南のマーケットがあれば、出資者の中型映画への投資に大いに信頼を得ることになる。


  • 麥兆輝(アラン・マック)監督
    • このところ大陸で上映される香港映画の大陸の興行収入は、香港のそれを遥かに超えている。大陸の興行収入は深圳が1位で次が上海、北京が2位で、4位が広州だが、広州が2つ(広州と深圳)を占めている。《満城盡帯黄金甲》を例にすると、全国で2.9億元、華南地区はそのうち40%以上を占めている。従って華南地区を開放することで、香港映画の興行収入は自然と増加することになる。映画会社が投資する場所も広がり、投資額も増加するだろう。製作人としては、創作の空間も広がり創作に対する自信もつく。


  • 小明(チョイ・シウミン)驕陽電影公司總裁
    • 広東の人口は香港の10倍以上。香港映画が広東と香港で同時に上映されれば、マーケットは数倍に広がる。2007.7.30「文匯報」要約

香港映画にとって朗報。
広東省では、香港映画は吹き替えの必要なく、元のまま上映できることになり、輸入品扱いになっていた香港映画が、広東省では輸入品扱いがなくなり、数の制限(外国語映画の輸入総数は年間20本以内という規定だったと記憶している)を受けないことになる。


以前から香港の映画人は「広東省を解放して欲しい」と言っていたので、願いがかなったわけだ。実は少し前から、広州のチケット購入サイトでは、香港映画が香港公開とほぼ同時にサイトに上がっていたのだが、この件についてのはっきりとした文章が無かったので、いったいどうなっているのかと思っていたが、これで明快になった。